224-4 「ACE神宮前」改修工事 2018年10月31日

住宅を店舗にリノベーション

原宿駅から東側、閑静な住宅街におしゃれなブランドショップや美容院、カフェが並ぶ神宮前。築27年のレンガタイルの戸建て住宅が真っ白な外壁と鉄骨外階段を設けたテナントビルに生まれ変わりました。

もともと地下1階には美容院、1階にはかばん屋さん、とそれぞれアクセスが異なるお店が入っていましたが、2階は住宅として使用されていました。しかし、この度オーナーが建物を売却、購入された㈱エース・コーポレーションが企画し、改修設計を「YOSHIKUNI ARCHITECTS」が行いました。2階に開口部を大きく取り、新たな外階段と螺旋階段を設置、住宅の趣はなくなり、店舗として、モダンなファサードデザインを打ち出しています。

工事は、地下1階と1階の2店舗が営業しているため、大きな音を出すような工事は、例えば既存の2階ベランダの解体などは、「午前11時以降は行わない」と時間制限があり、躯体に響かない「ハンドクラッシャー」(手持ちタイプのコンクリート壁はつり機。騒音、振動、粉塵に厳しい現場での工事に適している)を採用しました。

また前面道路はあまり広くないため、関係車両による資材の搬入・搬出や大きなクレーン車を利用しての外階段設置などでは、近隣へのご迷惑を最低限に抑えながら、無事完成させることができました。

㈱エース・コーポレーションは今年で創業30周年を迎え、現在は不動産の再生、開発事業を主力に取り組んでおられます。
好立地にも拘わらず不動産価値の落ちた物件に、再び光を与えるべく斬新なアイデアでバリューアップを計り、魅力あるテナントの誘致で新たな人の流れをつくるなど、その取り組みは地域の活性化にも繋がっています。

住宅が多い神宮前ですが、店舗としての可能性を十分に引き出した改修工事は、今後も増えていきそうです。
所在地:渋谷区神宮前3-15-5
構造:RC造
規模:地下1階、地上2階
用途:店舗
設計・監理:吉國泰弘/吉國建築設計事務所
施工担当:畠中
竣工:2018年10月
撮影:①②現場担当者(before)、③④⑤編集部(after)

223-3 御殿山マンションリフォーム

223-2 ページでご紹介した「西荻市庭」の実施設計担当、横井創馬氏の設計により昨年施工させていただいたマンションリフォームも今回ご紹介します。
マンションリフォームに対する大胆な設計手法が、ユニークで現実的な解決を生み出してる実験的な住宅です。

庭園と住まうマンションリノベ

マンションの上階では、屋外を感じることも少なければ、戸建てのように窓の向こうに庭を持つこともできない。当たり前のことであるが、住宅が積層せざるを得ない都会ならではの問題ともいえるだろう。
そんなマンションの一室を、息子夫婦や孫、友人たちが集まる大らかな受け皿として改修することを依頼された。
部屋は北西向きの角部屋で、20mもの使われていなかった細長いバルコニーに囲われていた。そのバルコニー全てを庭園と見立て、軽量土やデッキを敷き詰め、季節ごとに色彩や葉ぶりを変える大小さまざまな植物を植えることにより、窓の向こうにまるで庭付き一戸建てに住んでいるかのような風景を作り出している。樹木が生い茂る庭は、外からの視線をさえぎりながらも、自動散水によって手軽に子供たちがブルーベリーやレモンを育てるられるような場所になっている。
庭を臨むための窓サッシは、複合フローリングの厚突木材で包み込むことにより、木製サッシから庭を楽しむような風景を作り出している。
当初は断熱性と対結露性能を向上させるためのアイデアであったが、家具のような木製の十字窓がリズミカルに連続したしつらえは、内と外の境界線を柔らかく近づけている。
部屋を緩やかに分節する壁は、屋内然とした乾式壁ではなく、屋外で使うようなコンクリートブロックの壁を使用しており、まるで庭園の一部が室内へと入り込んできたような様相を作り出している。
このような粗野な素材でも表面をスタッフや学生たちと何日もやすり掛けをしたことにより、表面は絹のような手触りになって、住まう人に寄り添うような素材へと変化している。
また、マンションというのは部屋同士の距離が近いものだが、壁に重たい素材を選ぶことで音がたやすく伝播せず、1t近い重量感がお互いの部屋の距離感を遠ざけている。
屋外の庭園はもちろんの事、室内のしつらえもいわゆるマンションの記号を丁寧に取り除いていった。そうしてできた空間は、まるで庭を臨む別荘のような空間となり、人の家にお邪魔するというより、みんなの家に訪れるというような空気感を持った住宅となった。
(横井創馬氏 談)
コンクリートブロックを磨いてここまでツルツルに肌触り良くなるとは思いませんでした。鉄骨下地のキッチンの天板にはベルギー産の特殊なモルタルを使用、部屋の雰囲気に合ったいいテクスチャーに仕上がりました。
   (施工担当 齋藤)
用途:共同住宅
構造:RC造
地上2階/地上5階
延床面積:59.765㎡
竣工:1984年(築34年)
リノベーション:2017年11月
施工担当:齋藤
撮影:横井創馬建築設計事務所

横井創馬

1983年 東京生まれ
2007年 日本大学理工学部建築学科卒業
2007-2008年 坂茂建築設計ヨーロッパ 勤務
2008-2010年 SANAA 勤務
2012年- SEKAI共同設立
2018年 横井創馬建築設計事務所設立

213-2 PORTAL Apartment & Art POINT

渋谷桜丘町のヴィンテージマンションが、新しいアパートメント&オフィスにリニューアル

 渋谷駅からほど近い11階建のヴィンテージマンションのリニューアルです。SOHO事業に定評のある、トランジットグループの株式会社リアルゲイトが、展開中の「PORTAL POINT」第4弾として、今回は「住む」機能を加えました。
 最上階の10、11階の2層は、広めのプレミアム・オフィス。天井や梁などに現しになったコンクリートの面を残し、床には素材感のあるフローリングを採用して、雰囲気のあるオフィス空間を可能にしています。
8-9階のサービス・アパートメントは、家具付パターンを用意。入居したその日から、自宅のようにくつろげる環境を提供しています。さらにその中でも、今回、建物名にも入っているように、海外アーティストによる特別なアートが施された2部屋が用意されています。
5-7階のアパートメント(家具無し)区画は、LDK空間に、トイレ・洗面、シャワーなどの水回り設備を隠したシンプルな間取りです。キッチン等の設備はデザイン重視のセレクト。コンクリート現しのインダストリアルな雰囲気、広々としたSTUDIOプランは、ライフスタイルに合わせて、レイアウトをフレキシブルに変更できます。
1-4階のオフィスは、最大40.46㎡の全21区画。1~5人程度の少数精鋭企業に最適なプライベートオフィスプランです。クォータースケルトン(※)を導入し、機能的でフレキシブルなレイアウトが可能です。
※クオータースケルトン:塗装・エアコン・ブラインド・ライティングレール・ネット・専有部出入口セキュリティ等最低限のインフラを設置し、そのままでもオフィス利用できる状態。
他にも、バックヤードカフェや、サンベッドが並び東京の空を見渡せる
開放的なルーフトップ、入居者が集う、洗練されたデザインのロビー
ラウンジやミーティングルームなど、充実のパブリックスペースが、多様な入居者のライフシーンを彩ります。
世界中からワーカーやツーリストなど様々な人が集まり、TOKYOの街を更に盛り上げます。
(編集部まとめ「PORTAL Apartment & Art POINT」公式サイト参照)

portal_point_plan※各区画の賃料や共益費、設備・仕様、および内覧会申し込みは公式サイトでご確認下さい。http://portalpoint.jp/sakuragaokacho/

所有者:東京急行電鉄
貸主:リアルゲイト
用途:共同住宅・事務所
構造:S造・SRC造
規模:地下1階、地上11階
延床面積:3341.63㎡(1010.84坪)
区画面積:34.22㎡~60.51㎡
竣工:1981年8月
リノベーション:2017年11月
施工担当:宮島、畠中、朴
撮影:アック東京

213-3 渋谷『100BANCH』に、カフェ・カンパニーの『LAND seafood 』がオープン

「100BANCH」は、かつて事務所兼倉庫として使用されていた築41年・3階建ての建物を、東京急行電鉄がコンバージョンし、「未来をつくる実験区」というコンセプトのもとにパナソニック、ロフトワーク、カフェ・カンパニーがリノベーションを施した新しい施設です。弊社は、その耐震・遵法化工事、ファサード・サッシ工事を行いました。
7月7日の2,3階のリニューアルオープンの後、10月31日、待望の「新たな食を探求するダイニング『LAND Seafood』(ランドシーフード)」が、1階にオープンしました。

店舗デザインはカフェ・カンパニー設計デザインチーム。築41年の元倉庫の持つ、力強く無駄のないソリッドな面影と、ダイニングとして食事を堪能することができる温かさと機能を同居させたデザインになっています。
約100坪 / 100席の店内には、シェフの活気を感じられるオープンキッチンを中央に配置。ゆったりくつろげるソファ席、気軽に使いやすいテーブル席、お食事利用もバー使いもできるカウンター、ミーティングやミニイベントにもぴったりなラウンジゾーンも用意されています。「100BANCH」のプロジェクトともコラボレーションし、様々な実験が展開されていく予定です。

 

■住所:渋谷区渋谷3-27-1 ■電話番号:03-6427-9315
■営業時間:ランチ11:00〜15:00 / ティータイム15:00〜17:00 / ディナー17:00〜
※L.O.フード22:00、ドリンク22:30 ■WEBサイト:http://www.landseafood.jp