71-3 株式会社リブコム 加藤隆昌 専務取締役

2013年1月24日 at 11:29 AM

不動産の付加価値の連鎖を創造する

 

建築施工を通し、辰が出会うさまざまなお客様。 なかには新しいムーブメントで、社会に貢献しようという企業も数多く いらっしゃいます。
そのような先進企業の新しい取り組みを折々にご紹介していくコー ナーが、この「Close up Company] です。
(不定期でお届けします。「建築家紹介」はお休みとなります。)
今回ご紹介するのは、港区・渋谷区・目黒区・世田谷区など城南 4 区 で不動産物件・オフィスビル・商業施設・マンションを提供している、 株式会社リブコムです。 このたび辰の施工で、「駒沢パークサイドテラス」がオープンの運びと なりました。加藤隆昌専務取締役にお話を伺いました。

 

―創業はいつごろですか。
加藤:平成3年です。もともと建売住宅を扱っていましたが、5年ほど前 から都心の高級住宅を手がける会社として実績を伸ばしてきました。富 裕層向けビジネスに絞り、高級戸建、宅地の分譲などを行い、うまく波 に乗れて都心のプライスリーダーとして認知されてきました。
しかし、最近では、土地の価格も上がりすぎたため、住宅用だけでな く、都心の商業系ビルも購入し始め、それがうまく寄与して、売上の7割 がいまや商業系となっています。ホームページや会社案内も、実情とリ ンクしなくなって、この2月から一新しました。
―土地は値上がりしているのですか。
加藤:この1年は異常な値上がりです。もはや土地だけで売る仕入れと しては買えません。従来のデベロッパーはとりあえずハコを作って売る だけでしたが、それではきついです。最後まで加工してきちんと付加価 値をつけて売ることまで全力を尽くさなくては。数年前から、そういう考 えは持っていたのですが、なかなか形にまでならなかった。デベロッパ ーだけでは無理ですからね。そこで我々は、あらゆるビジネスパートナ ーと組んで、様々な文化、付加価値を創造し、企業として「ビジネスプラ ットフォーム」を目指すことを明確にしてきました。「バリュークリエーショ ン事業部」を設け、飲食、ブライダル、アパレル、いろんな業界の才能 あるプロデューサーとのネットワークを駆使してプランニングを行ってい ます。今回ロゴも変えました。「アンド」という字を使い、いろんな人との つながりを強調する付加価値の連鎖をイメージしています。
―デベロッパーがただ安売り競争を行っていると、結局ヒューザーのよ うな話になってきますからね。
加藤:そうです。そして、この事業部に直結した試みが「東京サイトプロ ジェクト(TSP)」です。2週間ほど前、「東京ウォーカー」という雑誌に用 賀の物件が紹介されました。「東京新名所プロジェクト2006」という企画 ですが、表参道ヒルズや秋葉原UDX、渋谷Q-AXシネマなどの大きな プロジェクトと並んで、われわれの「TOKYO SITE PROJECT MB-1(マドビル)」が出ています。小さな物件ですが「その土地に必要な価 値が盛り込まれた開発でこの東京をよくしていこう」というコンセプトで 建築しているものです。
「不動産と建築、そこに文化を融合させよう」と いうことです。バブル当時は派手な建物がたくさんできたけど、そこに は文化が少なかった。結局、築年数が浅くても壊されたりしている。コ ンクリートの建物の寿命は100年、きちんとした耐震構造を持つことな んかは当たり前、いい形の建物ができれば皆さん注目してくれます。
さらにデザインだけではない。不動産が本来持っている潜在的な力を どこまで引き出せるかがポイントです。
本当にお金がある人は、もう資産を増やすことにはさほど意味を感じ ていません。「どこに意味があるか」を考えています。自分自身にリタ ーンすることではないんです。そういう人たちが「文化・芸術に使うこと がかっこいい。ここだったら使いたい」という不動産企画を提供してい きたいですね。100年存在する建物はエコに繋がるわけだし、それこ そが本当のデベロッパーだと思います。
日本は海外と比べると、まだ まだ考え方がせまく、恥ずかしいと思います。
―そうですね、まだ築年数だけで建物が考えられている。せっかく建 築家に設計を頼んで建てた家でも、単に坪数、築年数、駅からの距 離で計られています。
加藤:これからは変わると思います。それにデザイナーの建てた建築 だとしても、きちんと住宅として機能しているかが問題。新しく住む人 に良さが伝わらなくては意味がありません。将来的にデザイン変更に 応じられるか、など骨太の建物には、基本があります。

―ライブドア、東横インの問題が明らかになって、企業の社会的責 任がより厳しく求められています。
加藤:もちろん、企業として儲けることは大事です。でもそのために存 在しているなんて悲しい。存在意義のあるデベロッパーになりたいで すよ。「あそこのはいいよね」とお客さんに一目置かれたい。TSPによる 物件も、土地の仕入れから手がけたものが、この春から10棟くらい出 来上がってきて、現実に形になってきています。ぜひ見ていただきた いですね。