127-3 上原駅前商店街 ここにあり!

2013年3月22日 at 2:00 PM

「活気ある商店街をめざして」

今、地方の商店街の衰退が、方々で語られています。地域の人々のつながりが希薄になるにつれ、地元の商店街の活気も失われつつ
あると言われています。しかし都心の駅前商店街はまだまだ元気。
今年 4 月に、弊社施工により新しい会館を竣工された、代々木上原の「上原駅前商店街」もその一つ。今月は古い歴史を持つ商店街振
興組合の皆様に活気ある商店街作りにかける思いを伺いました。
上原駅前商店街組合のスタートは昭和 2 年。小田急小田原線の開通と同時に始まりました。徐々に町は開け、商店街も代々木八幡の
奨励会といわれた時代から創設 80 年を迎えました。
理事長の児玉様によると、「振興組合になってからも 20 数年経ちます。加盟店は 120 店を数え、組織としてもきちんとしなくては
ならない」とのこと。普通の協同組合と違い、振興組合は、毎年行政に会計報告をしなくてはならないのでしっかりとした体制作りが
欠かせません。
さて、この商店街の特徴はどんなところにあるのでしょうか。
「すり鉢状の土地に連なり、地形的には良くないと言われていますが、戦後は長いこと、渋谷区で売り上げベスト 3 を続けてきたんですよ。今は近隣の大きな商業地域が発展してしまいましたが。スタートの頃は、裸一貫でやってきて商売を始め、今やビルオーナーで余裕のある方も少なくありません。商売から引退されて、テナントビルとして、お店を貸している方もいて、以前より飲食店の割合がふえましたね」と児玉様。そのためか、役員のなり手は、限られたメンバーに偏りがちのところが悩みの種。生鮮食品のお店はほとんどなくなり、スーパーも 1 件だけとなったそうですが、代わりに商店街を支えるのがインターネット。
「上原駅前どっとコム」(http://www.ueharaekimae.com/)というホームページを設けて、加盟店のご紹介やイベントの告知、さらに商店街独自のクーポンを発行して取り扱い店の情報も掲載しています。「遠方から来られるお客様は、ほとんどインターネットの情報を見てくるね」と IT 担当の役員の方。取材当日は、9月 22,23日に行われる恒例の秋祭りの準備の真っ最中。作業を進める皆様のうち、商店街の初代理事長の小川さんは今年 85 歳。代々木八幡の氏子総代も務める、長老の一人です。「戦争中は、軍の施設のために、線路側の店舗は強制疎開させられたこともあったんだ。空襲があったのは、忘れもしない昭和19 年 5 月 29 日。でも戦後はどんどん発展したね」 と振り返られます。

駅前の升本酒店の松田様は、新事務所建設委員の一人。商店街発足当時から今もご商売を続けられています。「新しい事務所は、スケルトンで中が見えるし、裏の通りの店も見えるからいいね。どんどん使っていきたいね」
通常なら商店街の事務所は商店街だけのものになりがちですが、こちらでは「商店街」と「町会」、「祭典会」という 3 つの組織が利用していきます。「何するにも協働で行う、他にはない体制だと自負しています」と児玉様。
今後は活性化に向けてどのような具体的な方策を打ち出していきますか。
「商店街が地域の人を呼び込むには、まず、大人だけでなく、子どもを中心にしていかなくてはだめです。お祭りや盆踊りなど、お母さんお父さんにも子どもさんと来てもらって、商店街の良さを知ってもらう。この新しい会館を核にして『上原商店街ここにあり』とその名を広めていきたいですね」 夕暮れどき、誰もいなくなった会館の 1 階にきれいな神輿が飾られています。何人もの子どもたちが覗いていきました。

所在地:渋谷区
構造:S 造
規模:地上 3 階
用途:事務所
設計:塚田豊
施工担当:塩