193-3  中村和基 出原賢一 /LEVEL Architects

2016年4月8日 at 4:32 PM

 1+1=2 ではないメリットを活かす

 

今月は、「上大崎の住宅」の設計者、「LEVEL Architects」(レベルアーキテクツ)の中村和基代表と出原賢一代表のお二人にご登場いただきます。
これまで2か所で運営されていたオフィスを、この1月、品川オフィスに統合、落ち着いた佇まいのマンションで、お仕事にもますます力が入ることでしょう。

―お二人とも、納谷建築設計事務所(納谷学、納谷新兄弟の設計事務所)の出身でいらっしゃいますね。その折、2人で運営されている事務所のメリットを感じられたということでしょうか。
中村:そうですね。まず、1人でやるより2人の方が仕事のスピードが速い。また、ダブルチェック機能が働きますね。複数の住宅設計を、同時にこなせるのも2人だからこそです。1+1=2以上の仕事ができますね。

―昨年まで、大井町と横浜の2か所に事務所を置いていらっしゃいました。
出原:都内と私の自宅がある横浜方面の両エリアを抑えられるという営業的な側面がありました。それぞれスタッフ3名ずつ割り当てていましたが、スタッフ間のコミュニケーションや効率を考え、12年目を迎える今回、一つにまとめることになりました。
中村:ここは品川駅に近く、国道1号線の車の音も少し内側に入ったところにあるのでほとんど聞こえません。静かで、プリンスホテルに隣接している裏側のテラスが緑に囲まれていて、実に気持ちいいんですよ。2人で内見して即決でした。

―お仕事する上で、お2人の役割は決まっていたりするのですか。
中村:特に決めているわけではありません。その時々でメインに回ったり、サブに回ったりして仕事を進めています。性格的には、自分がオープンで、出原はきちんとしているというところでしょうか(笑)もちろん、事務所を一緒にやろうということですから、基本、気が合ってますね。

―住宅設計中心のお仕事ですと、細かいところまで詰めるので最後まで大変だと聞きます。年間かなりの数をこなされているようですね。
中村:そうですね、もう大変ですね。でも、そこでお客様としっかり向き合っているところがいいのだと思います。

―「LEVEL Architects」という事務所の名は、どういうところから来ているのですか。
中村:「LEVEL(レベル)を取る」と言う建築用語がありますが、いろんな人との関係において、同じように「フラットにバランスを取る」というコンセプトですね。
出原:お客様に対しても敷居が高くないように、お話をしやすい関係を作る。一緒に何かを作っていく感覚を大事にしています。
中村:ですから、お客様と私たちの間はとても雑談が多いですね。竣工後の1年メンテナンスのときなど、たいてい飲み会になります。

―毎回、1年メンテの時はそうなるのですか。いい関係ができていないとできませんね。新たなご要望も出てくるでしょう。
出原:そうですね。お子さんが大きくなってくるとか、ご家族の構成の変化でいろいろ条件が変ります。長いお付き合いになるものですね。
中村:無事1年間、家を使いこなしてくれたかな、ということは当然気になります。竣工写真も、作りたてをそのまま撮るよりは、本当はスケール感や生活感が感じられ、住まいを使いこなしていらっしゃるところを撮っておきたいものです。ですから、1年後、いい写真を改めて撮らせていただくことができるように頑張っています。
(事務所のHPには、暮らしを楽しんでいらっしゃるお客様を写した写真もところどころ差し込まれている)

―竣工写真は、ほんとに難しいですね。お引渡しの時のタイミングがとれなかったりすることも多いです。
中村:施工会社も、住宅の場合は特に、お客様からの要望にはまずスピードを持って当たってほしいですね。新築施工時だけでなく、メンテナンスのお話があったら翌週にはなんらかの形で動いていないと、お客様の機嫌を損ねてしまう。「まずは連絡」ということが大事です。

―今回の「上大崎の住宅」の現場施工について、建築専門誌の『日経アーキテクチュア3/24』の特集で評価いただきましたが、その中で「建築家の先生方のネットワークが、施工会社の情報交換に非常に有効」とおっしゃっていましたね。
中村:やはり「この建築にはこの施工会社」という的確な情報を知っておきたいですね。お客様には施工の比較はできませんから、普段から設計者間で情報のやり取りするのが、実際には役に立ちます。
―施工者側もきめの細かい対応が求められますね。本日は、ありがとうございました。

 

「的確なレスポンスがお客様とのよい関係をつくります」

 

中村和基

1973年生まれ
日本大学理工学部建築学科卒業
納谷建築設計事務所を経て、
2004年LEVEL Architects設立

 

出原賢一

1974年生まれ
芝浦工業大学大学院工学研究科建設工学専攻修了
納谷建築設計事務所を経て、
2004年LEVEL Architects設立