198-3  佐藤直人/日工産業株式会社 代表取締役

2016年9月17日 at 10:51 AM

油圧機械のサービスエンジニアリング

「これからは、ロボット技術が大きく発展するので 油圧分野も変わってくると思います」

今月は、建築概要でご紹介した「日工産業株式会社」の佐藤直人社長に登場いただきます。
「日工産業株式会社」は、現会長の佐藤東和太氏が、昭和40年に設立。昭和44年に創業を開始、47年目を迎える、油圧機械の販売会社です。
お引越しを前に、弊社から徒歩5分のJR渋谷駅近くにある現在の会社で取材させていただきました。
―油圧機械は、私どものように一般の人間が普段意識して目にすることがない機械なのですが、主にどういうところに使われるものですか。
佐藤:一般産業機械や建設機械、自動車、飛行機、船舶など、大きな力を必要とする部分に多く使われています。例えば、飛行機の翼とか車輪の出し入れなどは、空気圧式や電動では弱いのですね。非常に大きな力が必要となり、制御が容易で応答性の大きい油圧式が用いられます。
パスカルの原理(密閉容器中の流体は、その容器の形に関係なく、ある一点に受けた単位面積当りの圧力をそのままの強さで、流体の他のすべての部分に伝える)をもとにして、小さな力で大きな仕事をするのが、油圧式の特徴です。当社ではあまり建設機械を扱っていませんが、ショベルカーなどは、典型的ですね。その多くが日本で生産されています。日本のショベルカーは世界を制したともいえるのではないでしょうか。
―部品を売るだけでなく、装置も設計・製作されています。
佐藤:うちの特徴は、有資格者が多いことですね。営業の男性はほとんどが、厚生労働省認定の一級油圧装置調整技能士です。営業も、設計の相談や、メンテナンス、調整なども行える技術者集団です。サービスエンジニアリングですね。社内での研修もきちんとしており、他メーカーの研修を受けるようにもしています。
―得意分野などございますか。
佐藤:多岐にわたっています。一般の産業用機械や、工作機械とその周辺機器、電気部品や制御盤、情報関連機器も受注しています。環境関連では、ごみの破砕機、圧縮機ですね。生ごみを圧縮して水分と分ける―その先は、また納入先が環境に配慮した活動を行うことになります。
主な仕入れ先は、油研工業ですが、他にもグローバル企業を含めて、500社以上の取引先があります。大学や工業技術院など官公庁ともお取引させていただいています。
 我々の仕事は企業の「設備投資」にかかっています。東京オリンピックを4年後に控えて、景気の回復が期待できると言われますが、まだリーマンショック以後の回復傾向が伝わってきている感じはないですね。まず大手さんが見積もりを出して、それから下に波及してくるまでには時間がかかります。東京オリンピックもあっという間にやってきます。早くインフラが動き始めてくれるといいですね。為替の動向にも左右されます。輸入、輸出業者の会社は、非常に影響を受けます。頭の痛いところです。
 機械の動力は、昔は油圧式が多かったのですが、今では空気圧、電気エネルギーでも大きなトルク(回転力・駆動力)を出すことができるようになり、油圧の分野に進出してきています。ただ、ものすごく大きなトルクはやはり油圧でなくてはなりません。
それから、最近、産業用だけでなく、介護用、福祉用の開発が著しいロボットの分野ですが、高精度な動きに応えてきた電動式に対し、大きな力を瞬時に出したり、人間のように微妙な力加減を働かせたりする動きには、油圧式が適していることがわかってきて、そちらの方も伸びていくと思われます。
特に日本はこれから労働人口が少なくなることがわかっていますから、将来的には、ロボットと一緒にやっていかなくてはならないと思います。
―今回、新しく建てられたビルは、地下の倉庫分が広くなったのですね。
佐藤:これから新橋の新社屋を軸にして、出張所や営業所を広げるなど、ますます営業活動に弾みがつけばと願っています。

 

日工産業株式会社

1965年 佐藤東和太氏、会社設立
1969年 油圧、空圧機器全般の販売を目的として 創業開始
1970年 ㈳日本フルードパワー工業会へ加入
2012年 佐藤直人氏社長就任  現在 社員29名。 そのうち国家資格の 油圧装置調整技能士は14名
2016年 秋 新橋の新社屋に移転予定佐藤直人社長