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53-2 MM APARTMENT

建物はM氏親子2代、3家族+賃貸ワンルーム2戸+駐車場という構成になっています。40坪弱の敷地に3階建ての制約の中、5住戸+駐車場という条件はスペースオーバーの為、フリープラン、省スペース、採光の確保等が設計のテーマになりました。 設計の特徴は以下の通りです。

□フリープラン:5戸の住戸が将来どのようにも変更可能なように、内部間仕切に構造壁を設けない構造計画を採用しています。従って、家族構成の変化に伴って住戸の改修が自由に行うことができます。

□省スペース:狭いスペースを有効に活用するため、極力廊下の少ないオープンプランを採用しました。内部間仕切も造り付け家具で対応する等、できるだけ省スペースに配慮しています。

□採光の確保:敷地は北側一面道路で、南側にマンションという採光に恵まれない条件のため、採光の確保が重要な設計条件になりました。唯一採光が入るのは北側のみなので、可能な限り北側の開口面積の確保に努めました。

□防水コンクリートの採用:屋上、バルコニー、外階段の防水、地下ピットの防水には、タケイ式防水コンクリートを使用しました。防水面に自由にアンカー等も打てるので、メンテナンス性もアスファルト防水より良いと判断して採用しました。

(石原一学)

所在地:世田谷区
用途:共同住宅
階数:地上3階
構造:RC造
設計:石原一学/KI建築工房

52-2  新川のローコスト堅牢住宅(T デンタルクリニック)

東京駅八重洲口からまっすぐ八丁堀方面へ歩くこと約20分。27坪程の好立地な狭小地にこの建物は建つ。区による地区協定で、50センチの壁面後退により高さ緩和を有効に活用した建物である。当初の計画では階高を大きくとり、4層吹き抜けの伸びやかなファサードをもったデザインであった。しかし、地盤の地耐力への構造対応や、診療施設の設備費用、金融機関との諸事情も絡まり、終始、施主の夢であったコンクリート打ち放しの建物をつくることと、実際の建築をリアライズすることの戦いであった。設計スタッフをはじめ、工事関係者の実現へ向けての意地と情熱で最良の完成型を目指し、構想段階からは4階部分を取りやめるなど大幅に変更したが、設計者、施主共々も、すばらしい出来だと満足している。
設備と内装を極限まで整理したことで、むしろそれを意図したように精緻でミニマムな空間となり、これからこの建物の中で営まわれる生活者のスタイルを知的に誘導するパワーを感じさせる。
北側の外部螺旋階段を吹き抜けとした超ローコストな「光に内包される家」は、1~2階に歯科診療室を有し、3階を居住空間としている。現代の堅牢で小さな建物は、その構造体の迫力と精巧な仕上感により、かくして「新川の大豪邸」と近所で囁かれているらしい。

(白濱 力)

所在地:東京都中央区
用途:歯科診療所+専用住宅
階数:地上3階
構造:RC造
設計:白濱 力:Graphis Associates Inc.
+高岡建築設計事務所
企画/家具担当:佐々木里実
構造:構造計画プラスワン

51-2 Vague (集合住宅 20K_二十騎町の集合住宅)

神楽坂近くの住宅街にはめ込まれたこの建物は、敷地の南北側に2棟の建物を配置し、中央に大きなヴォイド(隙間)を設けることにより、窓先空地や避難通路等の法的規制をスマートにクリアしている。
南棟は、1-2階、3-4階がメゾネットで、5階にオーナー邸、北棟は、1階が駐車場で、2~5階は各階シンメトリーの2戸編成になっている。庭に面したメゾネット北側の開口部は全面ガラス窓で、各戸の前には専用庭のように水盤が置かれている。「中庭を安易に【COMMON】スペースとして利用するのはよくない」と考えた設計者は、メゾネットの玄関には水盤に架けられた橋を通って入るようにし、無用の人間が窓際に近寄れないようにすることで、プライバシーを保ちながら外部とのオープンな関係を持つ住まいを作り出した。
メゾネットの南側は、窓際にバスタブを置き、引戸で内部と仕切られる「バステラス」とした。コンクリート製カウンターのキッチンと共に、室内に適度な緊張感を作り出している。ここではロールスクリーンを下ろさず、設計、インテリア事務所、あるいは編集者などがSOHOとして入り、夜遅く帰宅した住人は「水盤」の向こう側で仕事をしている人が見える―という住まい方が望ましい。「都心に住んでいる」ことを実感するのは、こういう景色が日常にあることなのかもしれない。
北棟は、窓側に縁側のような緩衝帯が設けられ、引戸で移動家具とともに室内を自在に仕切る。コネクティングドアを開いて、2戸を1戸にすることも出来る。
オーナー邸は全室バリアフリーとし、以前の家にあった障子戸やドアノブ、照明などをさりげなく配置した。高齢の母上には何よりの和み空間となるであろう。

 

所在地:東京都新宿区
用途:共同住宅+専用住宅
階数:地上5階
構造:RC造+一部鉄骨造
設計:北山恒/architectureWORKSHOP

 

50-1 都立大の家 F邸

四方にすでに家が建っており、日照エリアが限られている敷地である。近隣の建物のボリュームも含め、日影のシミュレーションを取り、開口部の位置を決定した。北側採光という単純なプランではなく、むしろ坪庭を設けて、その日当たり部分に対し吹き抜けをつくって、日照条件の悪い場所に明るい家を計画することができた。日照の制約により、敷地に対し壁が斜めになっているが、パースが出てかえって視覚的にも広く感じられるようになった。1階のダイニングとリビングの図式分けも考慮し、庭のレベルに目線が入ってくるようにリビングの床を下げた。庭が広く見え、家族が集まる空間がより開放的なものになっている。

(武松幸治氏 談)

所在地:東京都目黒区
構造:RC造
規模:地上3階
用途:専用住宅
設計:武松幸治+E.P.A環境変換装置建築研究所
竣工:2004年3月