55-2 高山邸 増築

2013年1月8日 at 6:26 PM

新しいものと古いもの

「古い木造住宅の一部を最新のRC住宅に作り直したい」そんなお話から高山邸の設計は始まりました。2世帯住宅と言えば、通常は遮音に考慮してタテに分割するものです。ところが、「木造2階建ての横にRC造の2階建てを建てて父世帯が1階、息子世帯が2階に住む」というコンセプトにはじめはびっくりしましたが、「どちらの世帯も新旧両方を楽しみたいからね」という言葉を聞いて、なるほどと思いました。デザインも、あくまで古い母屋が主となるように配慮し、お世話になった古いものへの敬意は忘れません。一方、「車」という父子共通の趣味はまるで競っているかのように大胆にプランに反映しました。木造とRCの接続部分は吹き抜けとし新旧の対比を楽しむとともに、2階の架け橋は上下階の適度なつながりを演出しています。施工段階でも、母屋を手がけた大工さんと弊社の共同作業となり、ここでも新旧の共同作業となりました。
振り返れば、生業を大切にし世代を超えた継続と発展を目指す高山さん父子が、互いを尊重し時には葛藤し競い合う日常そのものが見事に映し出されていたのだと思います。「家作りとは、その人となりを映し出すものだ」ということを改めて実感しました。

(松村拓也)

所在地:東京都練馬区
用途:専用住宅
構造:RC造
規模:地上2階
改修設計:辰一級建築士事務所