232-4  建物再訪 5.C-House

2019年7月10日 at 4:26 PM

建物再訪 5.C-House 室内テラスのある家


今回は、14年ほど前に竣工した品川区のC様のお宅にお邪魔しました。
施工担当者が退社して時間が経過、メンテナンスをご希望だったC様を結果的にずいぶんお待たせしてしまいました。それでも今回、屋上防水、クラックなどの外壁改修、撥水材塗布工事などの外部の改修工事を行いました。現場担当の小関に工事のフォローの状況を確認しながら、C様にお話を伺いました。

-こちらは高級住宅街という環境もあり、竣工当時はプライバシーに配慮したファサード、そして内部にトップライトから光が降り注ぐ大きな室内テラスがある建物としてご紹介しました(ShinClub59号)

小関:そもそも私が伺うようになったのは、テラスの上のトップライトのサッシの両脇から雨漏りしているとのご連絡をいただいたのがきっかけでした。聞けば、前任の担当者の頃からとのことで、メンテナンスで一時的には修復されたものの、実際は根治していませんでした。
前任者の引継ぎ事項を行うまでに時間が経ち、ほんとに申しわけないことでしたが、今回それに引き続き長期修繕的な外部の改修もお受けくださいました。
C様:家はどんどん劣化していたから、助かりました。小関さんには感謝状を出したいくらいです(笑)

-お引渡しの時はどうでしたか。
奥様:大満足でした。ネットで調べて芦原先生の事務所に突然お邪魔しましたが、小さな個人宅にもかかわらず、とても良く対応してくださいました。ミッドセンチュリーテイストのシンプルで美しい建物ができあがり、感謝感激でした。
C様:妻が風水も少し取り入れたいと言うことで、水周りの配置や建物の凹凸にもこだわりました。
奥様:そうですね。芦原先生も空気が流れる家が良い家とおっしゃっていただけに、植物が良く育つ、気の流れの良い空間になりました。

ところがその後間もなく、風通しの良いはずのリビングのフローリングが黒ずみ始め、日に日に広がっていったのです。原因は床暖房の水漏れによるカビで、2階の床を全部張り替える大工事に発展しました。

-それはうちの責任で対応させていただいたのでしょうか。
奥様:はい、日数はかかりましたが、辰さんに直していただきました。数年後、次に問題になったのがサンルームの雨漏りです。構造上、そうなりがちだとは聞いていましたが、やはり修復も難航しました。結果サッシ周りのシーリングとそれを取り囲むコンクリートの塗装を広範囲にしていただき、一時的には解消しました。でも最も担当者さんを困らせたのは、3階シャワー室から付近への水漏れで、こればかりは原因究明とその修復が大掛かりになりそうでしたので、この時期から互いに連絡が滞るようになりました。

小関:で、その担当者が退社してしまったため、2年位前から私が引き継ぐことになったのです。
本来、建物がいろんな事情で補修していかなくてはならなくなるのは、仕方が無い事なのです。ただ、せっかく有名な先生に設計していただいたバリューを損なうことなく保存していくことは大事なので、適切なメンテナンスを施していかなくてはなりません。

お客様の中にはコンクリートは永久にもつと思っている方も時にいらっしゃいますが、それはないです。木造よりは長持ちしますが、寿命が50年というハウスメーカーの説明書も「10年に一度、大規模改修をしたら」という条件付きだったりしますから、過度に景気のいい話をしても問題です。
お客様が困っているときにこそきちんとお話を伺う関係を築かないとだめだと思います。

奥様:なかなか小関さんのように親身になってくださる方はいないと思いますし、興味深く、為になる事柄をユーモラスにお聞かせくださるので話が楽しく尽きません。
C様:彼女、聞き上手なんですよ(笑)

-奥様は、デザイナーのお仕事を続けていらっしゃいますよね。
小関:ほんとに言われたことをこちらがきちんとやらなきゃならなくなるんです(笑)職人さんも名前で呼んで、工事の全体像までお話くださるから、自然に頑張ろうという気になります。

-職人さんにはお客様の笑顔が何よりですね。室内テラス、続くリビングはお友達を呼んでパーティにも最適な空間と伺っておりました。
奥様:仲の良い友人達を招いて時折食事会をしていましたが、最近は実家や親のケアに週末を充てています。でも余裕ができましたらこの空間を心温まる集いに生かしたいと願っています。
C様:友達は宝ですからね(笑)

-親御様のことで忙しい皆様は、ご自分の生活についての整理は先送りになりがちです。
奥様:はい、ですから消費税増税前のこのタイミングで工事が出来て、ほんとによかったです。
愛着が深いこの家に生涯済み続けていきたいですが、今後のことを思うと、売却にしても賃貸にしても良い状態にはしておきたいですね。

小関:建物のバリューを維持して、その価値をわかってくれる人に使ってもらえるようにお手伝いしていきたいですね。

-本日はありがとうございました。

所在地:品川区
構造:RC造 地上2階
用途:専用住宅
設計:芦原太郎/芦原太郎建築事務所
竣工:2004年12月
改修:2019年5月
工事内容:外部長期修繕改修工事
・ 屋上防水やり替え
・外壁メンテナンス
クラック処理、シール部打ち替え、
化粧塗装