211-1 働き方改革

2017年10月11日 at 5:18 PM
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「河路アパートメンツ 」撮影:齋部功

写真は、このたび中原街道の近くに建ち上がった多世帯住宅です。屋上にパーティルームをそなえた建物が、お客様の新たな暮らしの可能性を広げることでしょう。
ところで、設計の木下道郎氏の現場を担当するのがこれで2度目という現場監督のMは、思わぬ成長を見せて木下氏を喜ばせたのですが、それは一体なんだったでしょうか? 答えは次のページでお話しましょう。
もともとおとなしく、口数が少ないタイプのMですが、最近は施工管理面で進境著しく、現場終了後は、「こんなに?」と思えるほどの長い休暇を取りました。現場監督は、竣工間際には休みもままならないことが多いのですが、現場を終えたら自分をリフレッシュすることの大切さを身に付けたM、「大いなる成長」を周囲に感じさせたのでした。上司や設計者の先生からものづくりの楽しさ、建築の面白さを学ぶこと、そして「魅力ある職場」を作るには、自身の意識改革も必要なのだと改めて思います。

9月28日、衆院解散が決まり、「10月22日投開票」という日程が発表されました。争点はいろいろ言われていますが、この5年間で、電通新入社員の過労死自殺などを受けて「働き方改革」という言葉が言われるようになったこともその一つです。働きすぎで、精神的にも追いつめられる若い人たち、また子育て中の共働き世帯への環境整備など、これまでの高齢者に重点を置いた福祉政策から、若い世代への施策の必要性が求められています。
実際、最近の建設業界では、「仕事はあっても、人がいない」というのが現状です。リーマンショック以後、厳しい受注状況による建設業就業者数の減少が続きました。もともと構造的に建設業界の年間総労働時間は全産業より2割長く、3K就職先として若い人たちから敬遠されてきました。
しかも建設業の技能労働者の約3分の1は 55 歳以上と高齢化が進み、次世代への技術継承も課題となっています(国土交通省調べ、2016年)。

以前から、建設現場は完全週休2日制を導入するよう、政府と業界団体の申し合わせがありましたが、規制緩和の進展で、公共工事も含め、ほとんどの現場が土曜日にも作業をするようになってしまっていました。何しろ工期が大事なのです。弊社も隔週で週休2日制となっていますが、土曜日に現場が動いているところがもちろんあります。

政府は2019年導入を目指して「残業時間の罰則付き上限規制」を設けましたが、建設業については、人出不足が深刻なので、5年間の適用猶予としました。
しかし、新国立競技場の建設工事現場の若い社員が、違法な長時間労働が原因で自殺して、家族が労災申請したことから、8月28日、工事の発注者と受注者が守るべき長時間労働の是正に向けて指針をまとめました。週休2日制の確保、そして特に工期についての配慮を求めています。
「資材や労働力を調達したり、雨や雪で作業ができなくなりそうだったりする期間を考慮し、予定した期間内に工事を終えるのが難しくなれば、工期を変えるよう求め、下請けにも同様に工期に配慮する必要がある」としています。法的強制力はなく、なかなかすぐには難しい点もありそうですが、工期を守るためにいろいろな偽装事件が起きたりもしました。 これから発注する工事が指針の対象とのことですが、業界全体で行っていかなくてはならないことでしょう。
何にもまして、建設業は「ものづくり」の楽しさが最終的には仕事の原動力になります。その心を失わないようにしていきたいものです。