218-1 100 年先を見据えて

2018年6月10日 at 11:45 PM
shiba000
 今月ご紹介するのは、芝3丁目に建った高級賃貸レジデンスです。
総合企画のランドビジネス様の取材に霞が関ビルのオフィスを訪れましたら、おりしも「霞が関ビル50周年」記念イベントが開かれていました。1968年4月12日に竣工した日本初の超高層ビルも50年目を迎えたのですね。思えば敗戦後、焼野原になった東京にどんどんビルが建てられ、東京オリンピックがあり、国民の思いが結実した象徴が「霞が関ビル」でした。霞が関ビルは、リニューアルした部分がとてもきれいな空間になっていて、これほどの建物であれば、100年先を見据えたメンテナンス計画もしっかり行われていくのでしょう。
しかし、一方で、こと住宅に関していえば、ヨーロッパと違い、日本はスクラップ&ビルドを繰り返してきてしまいました。戦後、物資も不足したせいで、とにかく質より量で生産された住宅の平均寿命は、約30年と言われています。今でも、そんな住宅づくりが行われています。
「人生50年」と言われ、ローンを組んで建てた住宅の寿命はそのくらいあれば十分。親の建てた家は、壊して建替えれば済んだのでしょうが、人の寿命も、もはや「人生100年を目指して、生き方を考え直そう」というモードに変わってきました。
書店に行けば、『LIFE SHIFT』(リンダ・クラットン著)を始め、『百歳人生を生きるヒント』(五木寛之・著)、『人生百年時代のライフデザイン(ライフデザイン白書)』(宮木由貴子、的場康子、他著)・・・と関連本が並び、政府も、昨年秋より「人生100年時代構想会議」を設置、人生100年時代を見据えた経済・社会システムを実現するための、政策のグランドデザインに関わる検討を始めています。人口減少で、社会保障制度は破綻、50歳から先、100歳まで自分の人生をどうデザインするか、大きな転換点にさしかかっています。年金で左うちわで暮らすことは、出来なくなってしまっています。
住まいについても、100年生きるのであれば使い継がれた家を大事に使い、次世代に確実につなぐ、あるいは長いスパンで考えられた建物を選び、適切なメンテナンスを施して使っていくしかありません。そして供給する側からいえば、いかに良質の長寿命の価値ある建物を世に出していくかが問われています。
たくさんのタワーマンションが建てられた郊外の都市では、通勤電車が大混雑、小学校の教室も、保育園も不足して、インフラの整備が急務となっています。投資目的に購入した人と実際に住んでいる入居者のメンテナンスへの考え方は、将来まとめることができるのでしょうか。いろいろと考えてしまいます。

リーマンショックも乗り越え、着実な歩みを続けてきたランドビジネスの矢野様からは、創業当時から、100年先を考え、美しい街並みをつくることを最優先にされてきたというお話を伺いました。こと街並みという点では、日本はまだまだヨーロッパの文化に追いついていないようです。街は誰かが意図しなければ、自然に出来上がってくるものではありません。動かす「人」の力が必要です。