222-1 ボランティア

2018年9月11日 at 2:54 PM
「代々木4丁目プロジェクト(Y邸)」 撮影:斎部功

「代々木4丁目プロジェクト(Y邸)」 撮影:斎部功

写真は、このたび代々木に建った住宅です。建て主ご夫妻は、毎朝、近くの参宮橋公園に散歩に訪れ、この高台に家を建てられることにしました。
さらに、奥様はこのたび、お仕事の他にも新たにNPOを立ち上げて、若い人たちの力になるべく活動を始められました。

 

この夏は、酷暑、そして台風の到来が続きました。厳しい気候条件の中、山口県で、行方不明になった2歳の男の子を3日ぶりに発見して一躍有名になったおじいさんがいました。尾畠春夫さん(78歳)です。
大分からやってきて、捜索開始わずか30分で、その子を見つけ出したというから驚きでした。その正体が、「スーパーボランティア」ということで、この言葉も話題になりました。
尾畠さんはいろいろな災害現場でボランティア活動を続けておられ、東日本大震災の時には、500日も現地に滞在して「思い出探し隊」の隊長を務めたということです。
65歳で魚屋を閉じ、その後は年金暮らしをしながらボランティアを続けているとのことで、その体力、精神力に圧倒されました。人生100年と言われるこの頃、誰でもできることではありませんが、70代からでもこんなに活躍できるんだと多くの人が感嘆の声を上げました。

 

日本人はアメリカ人などと比べると、日頃ボランティアに携わる人が少ないと言われますが、こと、災害時のボランティアについては阪神・淡路の時のミスマッチの反省も含めて、統制が取れた効率的な運営がされてきているようです。災害ボランティアセンターにまず登録するなど、行政、現地との連携に従い活動を行うようになっていて、何より自己責任で現地に臨むという大前提があります。
「自己責任」というと何か、「切り捨て」のような意味合いを含んでいるときもありますが、そうでなく絶対に対価を受け取らず、現地に負担になるような行為を慎む、ということで、尾畠さんのような方の実際の行動がそのことを示してくれました。

 

一方で、誰もが被災地まで出かけていける立場ではありません。日常の中で、少しでも地域の役に立てるボランティアに参加することも可能で、例えば、町内の美化運動とか、PTA・子供会の役員など、多くの方が経験されていることでしょう。
ただ、日本では、やはり海外に比べ、特に会社に勤めている人たちのボランティア参加が圧倒的に少ない、ということで、そこでもまた「働き方改革」の話になります。

 

労働力を提供できないときは、「寄付」という形のボランティアがあります。
しかし、そもそも地方創生の目的でスタートした「ふるさと納税」が単なる節税効果ばかりが取りざたされるのを見ると、その貧しさに目を覆いたくなります。日本には「浄財」といういい言葉がありますが、その精神は受け継がれるべきでしょう。使われ方を見届けることも大切なようですが。

 

今回、代々木プロジェクトの建て主の奥様の視点は、今、日本社会全体が抱える問題の改善についてであり、そのような大きな視点で動くパワーもまた、歳を重ねられた経験豊かな方々ならではの活動と思い至ります。

 

いずれにしても「情けは人のためならず」、年齢を重ねてもさらに若々しく生きていく一つの回答なのだと思いました。