223-1 西荻窪

2018年10月10日 at 12:46 PM

 

西荻市庭 - Nishiogi Ichiba -  (YSディセンダンツビルⅡ) 撮影:アック東京

西荻市庭 – Nishiogi Ichiba -  (YSディセンダンツビルⅡ) 撮影:アック東京

中央線の高円寺から吉祥寺の各駅周辺は、住宅街が広がる中それぞれ個性的な発展を遂げてきました。
高円寺といえば、阿波踊り、そして小さな飲食店やライブハウスが多い若者の街。
阿佐ヶ谷は大きなケヤキ並木が延び、夏の七夕祭り、秋のジャズイベントでにぎわい、作家や芸術家が移り住んだ街として知られています。
荻窪は近衛文麿の荻外荘に代表されるように多くの文化人の別荘として名を馳せ、今でもゆったりとした雰囲気が残るところです。
そして吉祥寺は、南に井の頭公園を擁し、北側には大型商業施設が展開されて、都心へのアクセスもいいことから、雑誌の「住みたい街ランキング」のNo.1に何度も名前が挙がっている街です。

 

そんな中、西荻窪です。通称「西荻(にしおぎ)」、快速は止まりません。
荻窪と吉祥寺の流れを受けて、特に商店街が大きく発展しているわけでもありません。
むしろ駅周辺にある昔からの個人商店がそのままご商売を続けているという感じです。そんなに大儲けしたいわけではない、でもお客さんがいるから続けなくちゃ。
40年以上前から有機食材を扱っている「ほびっと村」、ケーキとレストランの「こけし屋」、ジャズライブハウス「アケタの店」・・・、そんな心意気が感じられます。
駅の南側ではガード下の飲み屋に多国籍料理の店も加わり、今や解放区といった庶民的な活気が広がっています。自分のペースで暮らしを楽しむ人たちの街、それが「西荻」です。
写真はこの度、その西荻窪駅北側の商店街の中に建ち上がったテナントビルです。建て主は、阿佐ヶ谷で15年以上にわたって地域活性化の活動をされてきた、㈲ジー・エヌ・エヌ/GNN代表取締役の東島信明様。NPO法人「知の市庭」の代表も務めています。東島様に電話でお話を伺いました。

 

「平成12年、阿佐ヶ谷で小さなテナントビルを建て、1階にフレンチレストラン、2階は貸し料理スタジオ、3-4階にNPO法人を入れ、5階は自分たちの折々の活動スペースとして、街の活性化を図ってきました。
『市庭』という言葉は、練馬の著名な歴史学者、網野義彦氏の著書『農民は百姓にあらず』にある『市場は市庭である』という言葉から着想を得ています。『市庭』は神社・仏閣にあったり、博多のような中洲だったところに集まっていたもので、この現代においてもそのようなモノとモノを交換する場、コミュニケーションが生まれる場が必要だと感じたのです。人は自ら進んで生涯勉学し、自己向上に努め、自己実現を図りたい願望を持った存在です。そのことを真摯に受けとめ、自分達の組織を『知の市庭』と名付けて、自己学習の場を提供しています。

 

阿佐ヶ谷での活動が街の活性化につながったことから、さらに杉並でもう1か所拠点を作りたいと不動産を探していたところ、西荻のこの場所に出会い、立地の良さに惹かれて購入しました。
阿佐ヶ谷のビル建設でお世話になった、㈱TK²(ティ ケイ スクエア)の楠元孝夫氏に企画、設計を依頼し、1階はイタリアン・レストラン、2階には美容院、3階には面接の上、地元のNPO・シェアリングカフェ「KOKO PLUS」が入り、4階はこれまで一緒にやってきた10人の仲間たちと作った『西荻BASE』という組織が利用するスペースとしました。
今回、施工を辰にお願いしたのは、10年以上うちのNPOの経営レポートを作成してくれている吉田健司氏が、辰の監査役もされているということから。
地主さんもとてもいい方で、『市庭」を通しての新たなご縁に感謝しながら、西荻での皆さんの交流の場を作っていきたいですね」と東島様。

 

『西荻市庭』の管理は息子の弘明様が行うとのことで、西荻にありそうでなかった若い世代の方たちが自由に利用できる場所となりそうです。