167-1 時代をあらわす建物

2014年2月15日 at 4:00 PM

 

「ユニーブル渋谷神南 エントランスアプローチ 」撮影 :渡辺慎一

写真はこのたびNHK放送センター前に竣工した、グループ会社ユニホーの分譲のマンションのエントランスです。コンクリートの構造柱が、建物に奥行と品格を与えています。
毎度テレビの話で恐縮ですが、今回はそのNHKの朝の連続ドラマ「ごちそうさん」が食にまつわるテーマに加え、建築の話にも触れています。主人公の夫、西門悠太郎は大阪市役所の建築課に勤め、今は大阪初の地下鉄建設に関わっています。設計者と役所、施工者のせめぎ合いなど、建築関係の人なら誰もが思い当たるような話も裏で進んでいきます。そして第二次大戦下、物資不足で鉄筋の調達に苦しむ悠太郎たちに、竹筋コンクリートの話が持ち上がります。実際に、大戦中は竹筋コンクリートの建物や橋が作られたことがあったそうです。しかし、竹の外皮はコンクリートとの接着性が悪く、骨組みが離脱する恐れがあったことと、コンクリートのアルカリに弱く竹材内の脂質が分解されることで長期的に強度が低下する恐れがあったこと、竹材そのものが吸水乾燥によって膨張収縮するためにコンクリートにひび割れを発生させることなど、問題点がありました。それらを克服するためにいろいろな工夫が施されましたが、結局終戦後は、鉄筋にとってかわられました。
今、巷で材料不足だとか、人材不足と言っても、さすがにコンクリートに竹を使ったりすることはないでしょう。何かの代替品というときには、しかるべき理由と経済事情が必要です。
そう考えると、建材もいろいろな事情で、時代を表していると言えるでしょう。環境問題がかまびすしくなった20年ほど前から、シックハウス症候群などの室内の仕上げに使う建材には、塗料の基準なども設けられるようになりました。そして、構造やプランも、時代の影響を受けないわけにはいきません。自然を内部に取り込んだり、外気との関わりを考えたりして環境に配慮して建物づくりは進められます。
また住宅建設が活況を迎えていますが、住宅展示場に足を運ぶと、投資用に自宅と賃貸部分、事務所部分を一緒に建てるプランなどが多々見られます。こんなことは、20年前にはなかったように思われます。社会情勢も大きな要因です。

朝ドラの主人公たちの方は、食材不足の中、いろんな代用食を考えます。大豆コーヒーだったり、梅やらっきょうを入れたタルタルソースだったり。家畜の餌のようなパンを栄養食として作らされ、そのまずさに学校にも突っ返された主人公は、大事な食材を最大限美味しく作ることを改めて誓います。それは「偽装」ではなく、「始末」の心です。与えられたものを大切に使う工夫です。
ものづくりの答えは一つではないと思います。その都度、その人、その場所、その時代にあったものが求められています。それに対応できる会社が、生き残る価値のある会社なのでしょう。さらに、建築は長い時間の視点が欠かせません。50年、100年先のことを考えていかなくてはなりません。でもそれは本来、すべてのことにあてはまることなのでしょう。