181-1 医療品開発

2015年4月17日 at 2:30 PM

リジェンティス株式会社

写真はこのたび完成した、医薬部外品メーカー、リジェンティス株式会社の研究所です。ひとつながりの空間にオフィス、研究室が収まり、空中に伸びた階段は最上階へと連なります。
もともと長野県出身の大学の研究者であった柴肇一社長は、10年前、「ポリリン酸ナトリウム」の組織再生促進効果をもとに医薬関連製品会社を起業されました。「ポリリン酸」とはリン酸を3つ以上繋げた構造分子のこと。いくつリン酸がつながるかによってその効能が違ってくるそうです。
柴社長の研究では、10個つながりと60個つながりに効能が発揮されやすいことがわかり、その技術が商品に活かされています。
10個つながりが汚れの除去効果と沈着防止効果があり、歯磨き粉に、60個つながりは細胞再生効果があり、育毛剤に利用されているとのことです。薬用歯磨き粉は、30グラム入り3990円と市販の歯磨き粉に比べるとかなり高額ですが、同様の後発商品も同じような価格帯で差別化を図っています。同様の商品が出ること自体には、オープンソースを旨とされているのか、あまりこだわりのない柴社長です。製品はラジオショッピングやテレビの通販でヒットし、2015年の会社の売り上げは、従業員20人強にもかかわらず、前年比23%増の8億円、経常利益1億3700万円と大きな成長を遂げています。

そもそも柴社長は、医薬品としての製品化に向けて研究を行ってきましたが、コストと時間がかかることもあり、「より一般消費者に利用されやすい医薬部外品からまずは商品化を」と、ビジネスに乗り出しました。故郷、長野県岡谷市に工場を置いて、メディカル分野における地域活性化でも、貢献されています。2011年、工場の生産能力を1.5倍に拡大、さらに諏訪地域で新工場を、と新たな目標も掲げられています。
この4月1日、政府は、「医療分野の研究開発を巡る各省の予算を一元的に管理し、基礎研究から製品化まで切れ目のない支援を行う、『日本医療研究開発機構』を発足した」と発表しました。
背景には、次のようなことが挙げられていました。

◆文部科学省、厚生労働省、経済産業省がバラバラに研究開発支援しているため、実用化のための支援体制が十分でない
◆臨床研究・治験の実施にあたり、データの収集や治験を進めるための支援が十分でなく、研究の成果が新薬等に繋がるまで時間がかかる
◆医薬品・医療機器関連分野の市場は、国内外ともに成長しているが、我が国の医薬品・医療機器の貿易赤字額(平成23年は約2兆円)が拡大傾向にある

まさに、このような問題点で柴社長はご苦労され、ご自分で道を開かれていったことと思います。
iPS細胞の研究開発のニュースを聞くたびに「自分が恩恵を受けられるのはいつになることだろう」と漠然と思っていましたが、この『日本医療研究開発機構』では「2020年頃までに革新的ながん治療薬を開発するため10種類以上の薬の治験を始めるほかiPS細胞の技術を活用した新しい治療薬の実際の診療での使用を始める」とのことで、新しい研究開発による治療や医薬品が、できるだけ早く多くの人にいきわたることを期待していきたいですね。

※医薬部外品:日本の薬事法に定められた、医薬品と化粧品の中間的な分類で、人体に対する作用の緩やかなもので機械器具でないもの