196-1 地域と選挙

2016年7月14日 at 4:00 AM

「駒沢の家 Ⅱ」 撮影:アック東京

 

写真は、以前、弊社で施工した住宅の敷地に新たに建てられた多世帯住宅です。長年ご家族に愛されてきた庭を活かしたプランを設計した「現代計画研究所」は専用住宅だけでなく、公共の集合住宅や学校などの計画でも実績のある事務所です。「地域」の特性を活かした、そのまちづくりのコンサルティングで、自治体への協力も多いとのことです。今月のフロントラインでは、その「地域」についての話を、代表の今井氏に聞かせていただきました。

「地域」と言えば、6月末、世界中が注目する中、英国のEU離脱のニュースが流れました。国民投票による決定は、大方の下馬評を覆して、離脱派が僅差で残留派を下しました。日本では一時金融市場が混乱しましたが、当の英国でもまだまだ混乱が続くようです。
EUの一員とはいえ、島国で他のEU諸国とは事情が少し異なる上、かつての「大英帝国」の夢を忘れられない高齢者層や低所得者層の不満が爆発したのでしょうが、結果が吉と出るか凶と出るか、いずれにしても自力で頑張る選択をしたのです。その行く末を注意深く見守りたいですね。

英国のEU離脱後、『帰ってきたヒトラー』というドイツ映画を見ました。1945年の第二次大戦終了間際から現代のベルリンへタイムスリップしてきたヒトラーが、もの真似芸人と勘違いされてテレビ番組に出る羽目になっていく物語です。ドキュメンタリータッチの映像、そして主役の俳優のヒトラーそっくりの演技に引き付けられ、初めのうちはコミカルに描かれるドイツの「今」を笑って見ていました。
が、後半になるにつれ、物語のテーマが明らかになっていきます。ヒトラーは「選挙」により民衆に選ばれた代表でした。決して暴力により、その地位についたわけではありませんでした。未来を語り、国の経済を語り、問題を解決しようと語る力がありました。その力は現代においても、力強い魅力です。人々は、混乱し、問題が複雑になっているときに、強いリーダーを求めます。その時、きちんとした情報を得ているのか、打ち出す政策へのプロセスは正しいのか。最後は笑えない結末です。この映画がヒットしているドイツでは、第二次大戦後、国民投票を行わないことになっています。

さて、日本ではというと、7月10日に「第24回参議院議員選挙」が行われます。今年から選挙権年齢が18歳以上に改められ、若い世代の意見も取り入れられるようになりました。今や65歳以上の高齢者人口は3186万人(平成25年9月15日現在推計)で総人口に占める割合は25.0%となり、人口、割合共に過去最高となりました。政策に対して「高齢者に厚く若い世代には薄い」という声が上がっていることもあり、政府も配慮を見せたというところです。

しかし、世界ではすでに90%以上が、選挙年齢が18歳からになっているのです。そのせいもあるのでしょうか、ひ弱な環境で育った日本の18歳、高校生は「childish (幼い)」というのが多くの外国人の印象ではないでしょうか。ただ、バブル世代から見ると、今の若い人たちは、「自分たちの頃よりしっかりしてる」という意見もあります。経済的に苦労している分、地道に自分の生き方を模索しているともいえるかもしれません。要は、自分の意見をきちんという習慣があるか、ないかの差なのでしょう。

若い世代の方たちにはぜひ選挙に行っていただき、その権利を大事に使ってほしいですね。子供だとか、若く見える、ということは決してほめ言葉ではないのですから。