207-1 フェイク

2017年6月9日 at 2:59 PM
「 Raffinee Nakameguro」撮影:アック東京

「 Raffinee Nakameguro」撮影:アック東京

 

 知人の若い設計者が、外国からの設計依頼のメール(英文)を受け取りました。ある中東の国に、図書館と4棟のスタッフ住居棟の設計をしてほしいとのことです。結構な依頼金額です。海外の建築紹介サイトに自分の作品が掲載されているので、そのポータルサイトからの申込みだろうと設計者は思いました。4人分の旅費を出すので打ち合わせに来てほしい、とのことです。が、公の組織のように見えるその申込団体の存在を確認しようと大使館に連絡してみたら、同様の問い合わせが他の建築家から来ているとのことで、ネット詐欺だとわかりました。やはり甘い話には気を付けないといけないということですね。
日本国内でのネット詐欺・悪質商法に関する相談件数はすごい勢いで増加しています。日本のサイバー犯罪の相談件数は2016年は約13万1513件にも上っています。それに対して、検挙件数は8,324件(前年比+228件)と、被害に遭うとなかなか解決には結びつきません。
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平成28年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(警察庁報道資料)

ソフトバンクの関連会社BBソフトサービスの調査では、2017年2月度だけで、危険な詐欺サイトの検知数は106万1442件で、ワンクリック・不当請求詐欺サイトが85.48%、フィッシング詐欺サイトが12.97%、マルウェア感染サイトが0.54%、その他ボーガスウェア(役に立たない偽ソフトをダウンロードさせる)などとなっています。
オレオレ詐欺に代表される、現実社会の特殊詐欺の件数は認知件数が増えて1万3,237件(前年同期比+468件、増減率+3.7%)となっていますが、被害額はむしろ減って406.3億円(前年同期比-75.7億円、増減率-15.7%)です。また高齢者が多いのですが、60-70代の女性が圧倒的に被害に遭っており、自分ではだまされたと思っていない親切心に付け込まれている事例も多いそうです。もともと防犯意識が希薄、という特色もあるそうです。
それに比べて、ネット犯罪の被害者は、ある程度パソコン操作に慣れている若い層、特に新社会人やブランド物をネットで購入する子育て世代の層が多く、また最近のSNSの隆盛を反映し、Facebookなどから悪質サイトへの誘導が増えています。LINE、twitter、Instagramなど、種類が多く、それぞれ特色が違うので、よく理解して使わないといけません。そして、スマホでのワンクリック詐欺や不正アプリをダウンロードしてしまうという被害が多いそうです。もしワンクリック詐欺の被害に遭ったら、とりあえず、以下の3点を参考にするとよいようです。
1. 請求されたら支払い義務はないのであわてずに「無視」する。
2. スマートフォン上に表示される登録・料金請求画面を削除する
3.業者からの連絡や脅しが酷い場合は警察へ相談する

 日本のネット環境や日本人のセキュリティに対する意識はまだ低いと言われています。自分の常識を信じて、フェイクには引っかからないようにしたいものですね。