162-4 落雷被害を避けるには

2013年9月15日 at 10:00 AM

最近、都心でも激しい雷雨にみまわれる機会が多くなりました。今月は落雷対策について、藤田設備設計事務所の藤田勝氏にアドバイスいただきながら整理してみました。

■雷撃の種類(大きく分けて3つあります)
1.直撃雷 雷放電による電流の大部分が、建物やもの、人を通過することで、人命を奪ったり、機械設備を破壊したり、火災を発生させるなど甚大な被害を起こす
2.誘導雷 電源線・通信線・アンテナなどに、雷電流からの電磁誘導によって発生する高電圧で、機器の破壊を引き起こす
3.逆流雷 建造物への雷撃時、接地抵抗が十分低くないと電源を供給している電源線および通信線へ雷電流の一部が逆電流として流出する


■対策
1.直撃雷を避ける
・車や安全な建物に避難する
・近くに安全な空間がない場合、電柱、煙突、鉄塔、建築物などの高い物体のてっぺんを45度以上の角度で見上げる範囲で、その物体から4m以上離れたところ(保護範囲)に退避する(気象庁HPから)

直撃雷を避けるために建築基準法では高さ20m以上の建物には避雷針などの雷保護システムを設置することが義務付けられています。保護角60°以内(危険物設置箇所は45°)に建物が収まるように避雷針を建て、引き下げ動線、接地システムを組み合わせて安全に電流を大地に導きます。避雷針はむしろ誘雷針という方が正しいと言えます。
(最近の高層ビルの設計には「回転球体法」を用いた対策が一般的です)

2.誘導雷・逆流雷を避ける
・磁気を遮断する(電源を落とす)
・SPD(サージ防護デバイス)を用いて電源設備や通信設備を保護する

※雷の巨大なエネルギーを受けて起きる異常電圧・電流を「雷サージ」と言います。
今やオフィスだけでなく一般家庭でもパソコンなどが生活必需品となっています。これらは、過電圧耐性が低く、電源、通信引き込み線を通じて侵入する誘導雷サージによって大きなダメージを受けます。SPDにより被害を未然に防ぐことができます。電源分電盤の回路に設置する避雷器や雷電リスクの高い電話回線を始め、セキュリティシステムやネットワークシステムなどそれぞれに適切なSPDが用意されています。これらは、電気工事の専門業者による工事が必要です。
また雷サージ対応コンセント、サンダーブロッカー(写真上)などと呼ばれるコンパクトな一般用の避雷器もあります。直撃雷には対応できないものもありますが、電源を落とさずにパソコンやファックスなどのオフィス機器、テレビ、ビデオを使用でき、家電量販店などで購入することができます。

 

雷はいつどこに落ちるかわからないものです。北関東など雷の多い地域、重要な品物が置いてある建物は準備が必要ですが、地震や防災などと同じように過剰なイニシャルコストではなく、適切な対策を考えてバランスをとるといいでしょう。仕事場やご家庭の環境をもう一度、見直されてみてはいかがでしょう。
(参考資料:東京避雷針工業株式会社、株式会社昭電パンフレット)