211-2 河路アパートメンツ

竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

家族をつなぐ、屋上の多目的空間

敷地は、中原街道沿いの傾斜地で、上層階の 3 フロアが建て主とその親族の個々の スペースである。3 つのフロアはそれぞれの家族のポリシーが活かされた注文住宅と なっている。2階に賃貸住戸2戸、1階に駐車場を配している。
ファサードはコンクリート打ち放しの外壁に白い手摺が付いたバルコニーが、交通 量の多い前面道路に近い 2階はその手摺を閉じて、上層 2 層では真ん中を少しだけ切 りとり、オープンにすることで状況に適合させている。

今回、多世帯が一緒に暮らすことの重要なキーとして、屋上の共有空間がある。このペントハウスは親族の「結びの領域」でもあり、それぞれの家族の「交流の場」でもある。うちの事務所の入る「二軒家アパ―トメント」(2003年竣工)のペントハウスは居住者、ご近所さん、大家さん、ときには私の教える学生まで巻き込んだ、交流の場として成長している。また別の夢を持つオーナーと意気投合して、小さな集合住宅ではなかなかできない空間が生まれたことがうれしい。

ペントハウス階には屋内から屋外へと続くリニアなデッキがある。途中に白いコンクリートのカルバートがあって、内と外の仕切りがその真ん中にある。ガラス扉を開くと内外が一体となり、閉めると区切られる縁側のようなものだ。デッキの屋外先端にはカルバートと同じ幅・高さのスティールのフレームがあり、屋外を内部化している。

 屋内のデッキの床には竹の無垢フロ―リングを使って屋内を外部化している。カルバートと竹床との取り合いには、巾木を使わず床の際にコルクを入れた。このやっかいな納まりを、現場担当の M 君はきちんと受けとめてくれた。かつて彼が担当してくれた富ヶ 谷の集合住宅では、まだ若く頼りない面が見られたが、今回は建て主や近隣との関係を含め、設計者を安心させてくれる頑張りを見せてくれた。
ちなみに、今回の現場では全貌を把握するために全体模型を自前の3Dプリンターで作ったとのことだ。建築に面白さを感じ、仕事を超えて臨める気持ちが自信につながっている。自身が担当した富ヶ谷の集合住宅に自ら入居し、住み続けてくれているのもうれしい。

(木下道郎氏 談)

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屋上平面図

構造:RC造
規模:地上5階
設計・監理: 木下道郎/ワークショップ
施工担当:村山
撮影:齋部功
(3D模型、フローリングの写真はワークショップ)

2017年10月11日 at 5:17 PM