214-2 原宿TWビルディング

モードに影響を受けないインフラのような建築

駅前の再開発が進む原宿。表参道の坂道の入口にある三角形の小公園に面して、テナントビルを建設する機会を得た。一昨年手掛けた、「キャピタル原宿(2015)」(話題の電子タバコ「iQOSアイコス」の旗艦店が入る)のちょうど1区画駅寄りに、ほとんど同じ規模の建物を建てるという計画である。建て主からの要望は「時代を超えていくようなオーセンティックな建物を」とのことであった。時がたって廃れるものではなく、スタンダードな時間の経過に耐えうるようなものにしてほしいという願いである。
周辺は、若い女性や、海外からの観光客もかなり往来する繁華な通りだが、モード(流行)に影響を受けないインフラ(基盤構造)のような建築にしようと考えた。
「キャピタル原宿」は、1階をRC造、上層階を鉄骨造とし、そして全体を100φほどの鋼管で組んだ巨大なスペースフレームのような構造体とした。一方、「原宿TWビルディング」は、エレベーターコアと階段コアをRC躯体として、この2本の巨大柱で持たせている。1階は、正面側の通りや、こんもりとした木々を持つ小公園と一体となるように、5m近い天井高のガラスファサードとした。サッシは、溶融亜鉛メッキリン酸処理のハードな素材を採用している。また最上階の5階も、遠くの明治神宮、代々木公園の森の緑を存分に眺められるよう、開放感のある高い天井高にした。
一方、2-4階は、目の前が緑豊かな小公園のため、2.5mくらいの通常の高さとし、既成のアルミサッシで対応している。1フロア、1テナントを想定はしているが、「キャピタル原宿」でも行ったように、2階の床を一部抜けるようにしてあるため、2フロアを1テナントで確保することも可能である。
 ダイナミックに変わりゆく都市空間の中で、主張するのではない、インフラのように風景を支える普通の建物を提案する時代に入っている、と考えている。が、テナントによって、その現れ方は思うようにはコントロールできない。
     (山下真平氏 談)
構造:RC造
規模:地下1階、地上5階
用途:物販店舗
設計・監理: 北山恒、山下真平、江島史華 /architectureWORKSHOP
構造:江尻建築構造設計事務所
設備:団設備設計事務所
施工担当:山川、堀内
竣工:2017年9月
撮影:①~⑦阿野太一、
⑧、⑨山下真平
2018年1月1日 at 8:37 AM