225-2 FUKUMI APARTMENT (フクミアパートメント)

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

薬箱の引き出しのように立方体が浮かぶ、オーナー邸併用集合住宅

オーナー家は大宮駅前に土地を所有し、50年以上薬局を営まれている。この度、そのすぐ近くに、賃貸集合住宅+オーナー邸、1階にコンビニを入れた、8階建ての建物を建てられることになった。駅東口の交差点から南へ約100m、繁華街の通りと駅への道の交差点に建つ、かなりのボリュームの建物である。
建物は、1階のコンビニを公共のスペースと捉え、大きなキューブ状の賃貸住戸が浮かび、その上に鉄骨造の3世代のオ―ナー住居が軽く乗っている構成とした。

集合住宅を建てるときには、共用部と専有部の関係を考え、全ての住戸が異なる構成形式を検討することが多いが、この場所は極めて駅に近く、共用部で何かを皆で生み出すコミュニティの創出を考えるよりも、プライベートを極力尊重し、互いにそれほど関わらなくて済む、都市型居住スペースとしての意識を優先させたいと感じた。1階にコンビニが入ることで、利便性は保証され、敷地に当てはめてみると、建物の形は、ほぼ正方形となる。その中に2.9mX2.9mの各住戸のマスが5X5=25戸入り、その1マスも完全に正方形になっていて、まるで薬屋さんの店の古い引き出しを思わせる形である。開けてみないと中に何が入っているかわからない面白さを想起させ、同じ形状の住戸にいろんな人が暮らしているイメージを建築の形にした。建物のサインは、近くの公共施設「OM TERRACE(オーエムテラス)」のデザインを行った、ネウシトラの刈谷悠三氏に依頼。南側外壁にまず大きく描き、共用廊下など、他にもいろいろなところに設えてもらった。

2階から6階までの集合住宅は、南側外壁に東邦レオの外断熱が施され、リシン吹付けで濃いグレーに塗っている。Rの螺旋階段はオーナー邸まで延びている。オーナー住戸は、家族一人ひとりの希望を満たした部屋の箱が重なり、平屋建が空中に浮かんでいる。7階にお母様の個室や事務所兼応接室、吹き抜けとなっているリビングと付随する和室、ダイニングキッチンなどが置かれ、8階はご主人の書斎や子供2人の個室などが入り、それぞれ好みの色の壁・建具・家具が大小さまざまな空間に彩りを与えている。外からみても美しい夜間の照明や目地無しスパンドレルの外壁に、オーナー夫人もご満足いただいているようである。

 (若松均氏 談)

所在地:さいたま市大宮区
構造:RC造
規模:地上8階
用途:共同住宅+店舗
設計・監理:若松均建築設計事務所
施工担当:寺井
撮影:①⑤鈴木研一
②④⑥⑦若松均建築設計事務所 ③アック東京(ドローン撮影)

2018年12月12日 at 2:26 PM