232-2  CUBE西麻布

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

コンクリート打ち放し、エコサーム、無足場工法でスマートな建物に

隣地との境界に余裕がない、都心の狭小敷地に建つテナントビル。下を地下鉄が走っている。
内外の壁はコンクリート打ち放しを活かしたものとするため、工事の制限から各面で異なる施工方法を選択した。

北側前面道路側はファサードのデザイン優先のため足場を建てた通常の施工を行い、内断熱である。外断熱を施した西側との間がヒートブリッジとなることを防ぐため、内断熱と外断熱のラップを取り、内断熱部は石膏ボードで覆っている。西側は隣地をお借りして足場を建て、外断熱を採用し、内側のコンクリート打ち放しの壁の雰囲気を優先させている。

西側と南側は足場が建てられたので、外断熱は「エコサーム(東邦レオ)」という湿式外断熱工法を施している。発泡スチロールを直貼りし、その上にベースのモルタル、メッシュやプライマーを重ね、フィニッシュコートを左官で仕上げる、外断熱としては比較的リーズナブルなものである。大きな開口部、外階段がある南側は極力壁を排し、壁に囲まれた屋外避難階段との対比ですっきりとした外観を実現している。

そして、足場の組めない東側は、「ガンバリ工法(元日マテール)」を採用した。「無足場工法」といい、内側からアルミ外装一体断熱型枠を立てて、そのままコンクリートを打って終わりというものだ。外側はアルミのスパンドレルでそこに断熱材が付いている。幅300mmのスパンドレルのジョイントに金具を引っかけるだけである。セパレータは300ピッチで通常の足場を組んだ型枠よりも小さい。柱の部分はさらに縦間隔が小さく150ピッチである。エントランスのところも細かく入っているので小さなセパに変えている。

「無足場工法」は、足場費用が不要で安全で効率的な施工ができる。ここまで内部が広くなるのだと実感できるが、壁構造が主で、今回のようなラーメン構造ではあまり事例はない。リーシングの対費用効果を鑑み、採用に踏み切った。都心でなければできなかったろう。

3つの工法を採用し、スマートな建物が完成した。
テナントにはバーや和食店が決まっているが、どの階でも飲食店は可能なようにしてある。

(村上まみ氏・榎本幸男氏 談)
斜めの線が地下鉄の走行部分
232_p2_0a 1階平面図
232_p2_10houi
232_p2_0b屋上設備配置図

所在地:港区
構造:RC造
規模:地上5階
用途:店舗
設計・監理:村上まみ・榎本幸男/バウ・ビルト
施工担当:能田・内藤
竣工:2019年6月
撮影:アック東京

 

2019年7月10日 at 4:27 PM