234-2 ReBreath Hongo 2018

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

既存のボリュームを維持しながら専有面積を増やし、新築以上の性能に

本郷の住宅密集地に建つ、築50年の4階建ての既存不適格マンションである。25㎡程の2DK住戸だったが、間取りは現況ニーズに合わず、設備も老朽化し、入居率が10%を切っている状態だった。建て替えも検討されていたが、この建物が建てられた後に様々な建築基準法が改訂され、「高度地区」「日影規制」「容積率」が厳しくなり、高さ、容積共に既存不適格となっていた。新築する場合は現行法規に合わせなくてはならないため、今のボリュームを建てることができない。新築、再生の両案を作成し、事業収支から検討していった。工期、施工費はもちろん、南側の豊かな空地や眺望、広い共用廊下や使われていない屋上などのメリット・デメリットを読み込むことで、利回りが大幅に改善され、かつ、耐震補強や現代にマッチしたプランやセキュリティと環境性能など新築以上の価値を得られることから、再生案が選ばれた。

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耐震性能を向上させるため、道路面の閉鎖的なコンクリートのバルコニー手摺を解体することで建物重量を減少させ、耐震補強は廊下側の耐震壁およびバルコニーの袖壁補強とした。そのことで、既存建物よりバルコニーの広さや居室の開口率を高めながらIs値0.6以上をクリアさせ、区の耐震助成金を得ている。
道路面のファサードを印象付ける溶融亜鉛メッキ鋼板の手摺はルーバーとしての機能も果たし、アングルやフラットバーの向き、組み合わせを各階ごとにコントロールすることで、外からの視線を巧みに遮断しながら道路から離れる上層階に行くほど透過性を高め景観を臨める変化をつけている。

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住戸のプランについても、全戸ウッドデッキバルコニーとし、多くは2DKを1LDKとした。また、自動ドアや屋外廊下を全て屋内廊下とすることで、セキュリティを向上させ、断熱は国の定める省エネ基準以上の性能を実現し、現況市場ニーズに大きく適合させている。
さらに、賃料の低かった1階の価値を向上させるため、1階のみ南側の空地に広い専用庭を確保し、バルコニーアクセスとして、共用廊下を専有化することで各戸の専有面積を広げた。使用されていなかった屋上は4階住戸の専用テラスとしている。一部、1.5住戸分を1区画とすることで2LDKの住戸も設け、DINKs層等、多様なニーズに対応している。

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1割にしか満たなかった入居率は竣工後、すぐに満室稼働となった。

再生建築研究所 神本豊秋

所在地:文京区
構造:RC造
規模:地上4階
用途:共同住宅
竣工:1968年
改修設計・監理:再生建築研究所
施工担当:宮島・畠中・朴
改修引渡:2018年3月
撮影:Kenta Hasegawa

2019年9月13日 at 5:20 PM