152-2 神宮前の家

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

坪庭のような階段室と屋根裏のようなリビングを持つ都心の個人住宅

 

敷地は神宮前の静かな住宅地。オーナー夫妻は都心ではあるが、都心にいることを忘れさせてくれる住宅を望んだ。景色として近隣の様子が視界に入ることを避け、耐震性のあるコンクリート造打ち放しを選択、温熱環境は内断熱とした。
ただ、建物全体はコンクリートを床まで壁を落とすと岩のように重い感じになるので、巻き貝のように、浮遊感を持たせた形とした。その内側をセットバックさせて、グレーチングの門扉、黒レンガの壁、石貼りの階段、玉石の外構といった、人の五感に訴える有機的な材料を用いて、コンクリートという滑らかな表面の工業的な素材との対比を図っている。
内部の基本プログラムは、夫婦+子供2人+お手伝いさんの5人のための家族ゾーンと、ゲストを想定したホテルゾーンという構成。我々は、かつて日本の家の中心にあった坪庭のように、建物中央に階段室を設け、独立している各ユニットを結ぶ機能を持たせた。天井の開口部により採光や通風を確保し、煙突機能、回遊機能を併せ持ったエコロジカルな温熱環境を作り出している。建物を螺旋に巡る階段室は、家族が互いに関係するスペースとしても機能する。
外部から帰宅し、小さなスペースから入って、ドアを開け、靴を脱いで、内階段を螺旋に上っていく。アクセスに時間の経過、空間の変化を経て、たどりつく最上階のリビングダイニングは、大きなペントハウスである。教会のように高い天井の上部に、空の見える窓が開かれ、建物の斜線制限のラインを、キッチンやリビングの家具と連動させて、全体に屋根裏のような一体感のある開放的な空間を生み出している。

(マニュエル・タルディッツ氏 談)

 

所在地:渋谷区
構造:RC造
規模:地上2階、地下1階
用途:専用住宅
設計・みかんぐみ
竣工:2012年9月
施工担当:鯨津、若井、皆川
撮影:アック東京

2013年4月15日 at 10:32 PM