162-2 上野毛の家

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

水盤と高台の景観を楽しむ斜面地住宅

 

都内とは思えないほど、豊かな緑に囲まれた敷地。住みたいと思っても、なかなか巡りあえない土地でもある。
既存建築物の解体工事からスタートしたプロジェクトだが、建物の図面と実際の建物の基礎が大きく食い違っていたことから、予想外の時間をとった。斜面地の設計を描く際は、既存の建物の基礎に合わせて、擁壁を壊さずに作ることを前提としている。壊してしまうと非常にコストがかかるからだ。もちろん構造的な検討を加えて、安全性を確保してのことである。しかし、建築はふたを開けてみないとわからないことが少なくない。今回もまさにそのような例だったが、施工側のねばり強い対応で乗り越えることができた。
建物の構成は、地下1階のガレージと入口の部分、入口を上がった1階部分、最上階の2階の3層であるが、建物の構造をずらしながら、各フロアがそれぞれクロスするという設計手法を取った。
LDKを置いた1階は大きな開口部を設けて、眺望を活かした。ただしオープン過ぎては単純になるので、リビング側からダイニング側にかけてはスキップフロアにし、空間に変化を加えた。目線を変えることで、見える景色にも変化が出る。
2階は、プライベートスペースである。建物前面に張り出した個室は、水盤の上の庇も兼ねている。プライべートを重視してあえて前面に窓をあけていない。建て主は飛び出したボックスの中で浮遊しているかのような感覚を楽しまれることだろう。個室に行くファミリールームとの間に入れ子状の2つの部屋を追加した。上方にスリットを入れることで閉塞感を和らげ、フロアの一体感を維持している。またいろんな方向の景色を楽しめるように、竹の生えている南側擁壁の方向にもテラスを設けた。
2階の一番斜面側は、バスルームである。こちらもスキップフロアで高くなっており、ガラス扉で洗面所と仕切った一つながりの空間としている。

(中村晃氏 談)

 

 

所在地:世田谷区
構造:RC造
規模:地下1階、地上2階
用途:専用住宅
設計:中村晃/アーキプラス
施工担当:竹原
竣工:2013.07
撮影:編集部

2013年9月15日 at 2:00 PM