108-2 双日システムズ株式会社本社 リノベーション・プロジェクト

企業の飛躍を願う、オフィス・リニューアルデザイン

 

企業のオフィスリノベーションは、 単にファシリティーの更新という意味だけでなく、 企業の成長を目指す新たな環境作りという側面が重要である。 時間や予算の制約の中で、 何を優先させるか、 グランドデザインを早い時期からお客様と行っていくことが肝要である。
今回の 「双日システムズ株式会社本社リノベーション」 プロジェクトでは、 現況の空間 ・ドキュメントの調査、 プロジェクト ・ スキーム、 スケジュール、 予算など、 おのおの専門会社がある中、 自分が設計者としてのデザインの仕事を超えて、 全体のマネージメントを統括することになった。 これまでも、 住宅の新築やリフォームのほか、 オフィスのデザインも手がけており、 これからのオフィスは、 ワーカーの生活空間としての機能、 デザインのほか、来訪者やリクルートなどの目線など、 柔軟な発想が求められていると感じている。 また、 最近は企業のソーシャル ・ コンプライアンスに対して、 ますます厳しい姿勢が求められており、今回のプロジェクトでも IT 企業としてのオフィス環境に呼応した提案ができたと思っている。

(細江英俊氏談)

<プロジェクトのポイント>
■エレベーターホールに企業の顔をつくる
テナントビルの場合、 エレベーターホールが各企業の顔となるものだが、 概して各階エレベーターホールは共用部と専有部の境として壁で仕切られている。 エレベーターを降りた時点で企業の様子が伺える解放的な設えがあれば来訪者への印象はアップする。 そこでエレベーターホールの正面の間仕切壁に入口を新設、 来客者の誘導をスムーズにすると共に、 ガラスやアルミ壁材で IT 企業のイメージを表現した。
■奥行きのある受付エリア
受付はシンプルに呼出端末機を設置し、 隣接するウエイティング ・ スペースと重厚感のある鉄製の縦格子で境界を設けている。 アプローチ突き当たりの壁面にコーポレートサインを設置
■アートのあるウエイティング ・ スペースウエイティング ・ スペースは明るく親密感のある空間をイメージし、 企画段階からモダンアートの設置を提案した。 壁面アクセントのアルミ目地には可動飾り棚が設置可能

■グラデーション ・ ガラスパーティション
全体に外光を入れつつ、 上方は半透明でプライバシーや照明器具の映り込み防止、 足元には気配が感じられるよう透明になる、 グラデーションのガラスパーティションを採用している
■部屋ごとにテイストの違う、 応接室 ・ 会議室
ラウンジに面する、 3 つの応接 ・ 会議室はそれぞれ什器や床の色を変えて、 「Bamboo」、「Mandarin」、 「Ocean」 などの名前をつけて個性を創出している
■多様な素材のコラボレーション
無垢フローリング、 ガラス、 アルミ、 木質系壁材など多様な素材で構成し、 企業としての品格の中にも、 リビングのような居心地の良さを感じられる空間とした

プロジェクト概要

コンセプト:11 階建テナントビルの 3層のオフィスを 2 層に再構成
用途:事務所
設計:細江英俊建築設計事務所
施工担当:宮島
引渡し:2008 年 12 月

撮影:真島香加コラム

<アートと建築>
設計者細江英俊氏は、アートレンタルの「株式会社システムアリカ」と協働し、多くのアーティストの制作環境を支援し、企業の文化的側面の向上と、個人が良質なアートに触れ合う機会を創出する事業に協力しています。
「オフィスや住宅も設計段階からアートを組み込んでデザインするとより上質な空間へ生まれ変わります。お客様がお見えになる会社のエントランスや応接室は『企業の顔』とも言える大切な場所です。採用面接を行う場所を大型アートで素晴らしい空間に変えてみると、企業としての好感度が上がるでしょう。今回の双日システムズ株式会社様にもウエイティング・ルームに 2 点、設置させていただきました」と細江氏。
一方、会議室「bamboo」には、前身会社ニチメン時代から所有されている絵画が数点飾られていたり、会議室「Ocean 」で一部に昔の什器を残されていて、「会社発足当初の気持ちを忘れない」という配慮もされており、歴史ある企業としての一面も拝見させていただくことができました。

 

双日システムズ株式会社様に飾られている 山田ちさと 氏の作品

2013年3月3日 at 2:00 PM