101-2 称名寺本堂

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

檀信徒の願いが込められた、 機能的で堅牢な現代の本堂

老朽化した木造のお寺の本堂の建替え工事である。 住職 ・ 檀信徒の要望により、 建設委員会が設けられ、 委員会の献身的な努力により、 当初の計画よりも2 年ばかり早く竣工することとなった。
「古来からある木造寺院とは違う寺を設計してほしい」 「一般市民である檀信徒が集まりやすく、 自慢ができて、 かつ威厳も備えている。 そんな現代に生きている老若男女が誇りに思える新しい 『称名寺』 という固有名詞の寺を考えてほしい」 という住職の希望を理解し、 どっしりとした重量感と開放感を併せ持つ建物をイメージした。 RC 造打ち放しで、 鉄骨トラスで屋根を張り、 木の下地に瓦葺とした。 高さがあるため、 向拝 (仏堂の正面上部に張り出した庇の部分) を前面に出すことでバランスを取っている。 寺社建築が本来持つ回廊性を生かし、 1階の本堂の周囲をすりガラス状のシートで囲み、 2 階はその部分を外部にして開放感のある空間を創出している。
1 階のエントランスを入ると、 中央の大きな廊下が訪れる人を向かい入れ、 正面には納骨堂が、 左右に控え室として和室が3つ設けられている。 向かって右側の奥は、 既存の客殿と扉でつながっている。 2 階の本殿へは階段と、 住職の希望により高齢者の多い檀信徒のために寺院には珍しく 2 基のエレベーターを設置し、 極力バリアフリーを心がけている。 上がりきると御影石の床の玄関、 フローリングの外陣、 そして2体の菩導法然像を左右に従えた阿弥陀像のある内陣へと続く。 内陣の裏側には控え室、 厨房、 手洗いなどがあり、 左右の入口から入ることができる。
 長年設計に携わっているが、 施主、 施工業者が我々設計事務所に対して大変理解があったことに、 改めて感謝したい。

(中﨑正人 / 岩倉建築設計事務所)

所在地:埼玉県春日部市
用途:寺社
構造:RC 造
規模:地上2階
設計:岩倉建築設計事務所
施工担当:弘中武
竣工:2008 年 3 月
撮影:間瀬憲隆 / スタジオ・ミュー

 

 

2013年2月23日 at 2:00 PM