97-2 Glasfall

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

ガラス ・ ファサードが美しいコーポラティブハウス

僕はいつも建築の設計をするとき、 プロトタイプ、 つまり何か普遍的な建築のありかたを開発したいと思ってしまう。 毎回同じものを作っている方が楽だが、 仕事は小さな建物ひとつでも、 誰でもが使える建築的な解法をその建築の中で発見できたら、 社会そのものをデザインできるような気がしてしまうからである。
今回の建築は、 建物の中央に階段などで固めた構造体を配置し、 水平力を全て受けるという構造形式とした。 これで、 建物の外周はすべて構造から解放され、 ガラス壁となっている。 計画地は北と東側の隣地が 2,700高く、 その隣地に 2 階建ての建物がぎりぎりに迫って建てられているという、とても日当たりの悪い敷地であった。 しかも、 このコーポラティブのプログラムを成立させるためには、 その南と東の隣地に建物を寄せて配置しなければならないという環境条件を解決するために開発した構成である。
このガラスの箱のなかの 6 戸の住戸は、 1階に同じ間口でエントランスをもち、 中央の階段で南北に交差しながら空間を占有している。 どの部屋も明るく、 交互に空間を分け合っているが、 厚 22cm のコンクリートで隣戸の生活音はほとんど聞こえない。 そして屋上には 6 戸同じようにペントハウスを持ち、 プランター付きの屋上をそれぞれ 1/6 占有している。 ここでは、どの住戸も平等である。 コーポラティブハウスの場合、 僕はこの空間の平等性がとても大切だと考えている。
東京の密集市街地では、 家と家の間に人も通れない隙間、 そんな見捨てられた空間が沢山ある。 ここでもそんな空間が生まれているが、 そこは柔らかな光が回り込み、 すきま風が流れる環境調整装置のように働いていている。 東京という都市にある、 僕たちには見慣れたこんな隙間の空間が面白いと思っている。

(北山恒氏談)

所在地:世田谷区
用途:長屋(6戸)
構造:RC造
規模:地上3階
プロデュース:アーキネット
スケルトン設計:北山恒/architecture WORKSHOP
インフィル設計:architecture WORKSHOP + 江向映/airlab
構造設計:構造計画 プラス・ワン
設備設計:団設備設計事務所
施工担当:中川・園田
竣工:2008年01月
撮影:アック東京

2013年2月19日 at 2:00 PM