65-2 スタジオのある家

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

スタジオのある家

計画当時、クライアントはすでに別敷地にご自分で建設された賃貸マンションのうち3住戸を家族4人がシェアーして住むという生活をとっておられ、家族の住まい方としては極めて自由なスタイルを実践されていた。従って計画は既存住宅の建て替えであるが、旧家屋は既に空き家となっていた。旧家屋は木造2階建て在来軸組工法の建築で、建物の南側を庭として開いているにも関わらず、間口に対して奥行きが深い敷地形状と、隣接建物に囲われている近隣条件が災いして、自然光による採光が不足していた。特に奥様が日中最も多くの時間を過ごすダイニングキッチン空間に採光が採れていないことが問題とされた。 よって南向きの採光だけで全館にくまなく自然光を満たすこと、南面以外の他の3面に開口がなくても充分に風と光が抜ける断面計画を追求することになった。
一方、自由なマンション暮らしを心地良く感じておられるクライアントがあえてもとの土地に戻って共に暮らそう、というからには設計に対する期待値としては相当高いハードルを課されているのだという緊張感を感じずにはいられなかった。その結果、「自分たちの住まいがダンス、バレエを通じて人々が集える場所になってくれたら」という夢の実現に向かって共に考えていくことになった。
幾度かのプラン練り直しの末、最終案は「地域に開かれた1階のスタジオから2階、3階の生活スペース、さらに屋上までが分断されることなく階段室を介してシームレスにつながる。」というかたちをとることとなった。

(桑原 聡)

所在地:大田区
構造:RC造
規模:地上3階
用途:専用住宅
設計:桑原聡/桑原聡建築研究所
撮影:ナカサアンドパートナーズ

2013年1月18日 at 6:02 PM