164-2 LOP

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

板間(イタマ)と土間(ドマ)の対比が織りなす集合住宅

 

杉並の閑静な住宅街の小さな敷地の集合住宅である。4戸の賃貸住戸を収めるため、上下2階の2棟の建物は、アプローチにらせん階段を設け、下の2部屋はその両側に入口を、上の2部屋はブリッジでつないで、各住戸に適度な独立性を持たせている。
北側の前面道路側は大きく開けることなく、東側に光庭を作り、アプローチである西側の窓先空地側に大きなガラス扉や窓を取って明るさを確保している。コンクリート打ち放しの建物だが、木のフェンスやシンボルツリーのオリーブの木が部屋の中から見え、住宅らしさを演出している。
シンプルな外観に対して、内部は彫が深い。コンクリートの厚みが感じられる、充実した空間を提供したいと考えた。床は入口のコンクリートのたたきから、居室部分にもフレキシブルボードを貼り、連続した土間のような空間にすることで、椅子の生活を提案している。他方、寝転んだり、座ったりできる、智頭杉の板間を設け、布団も入れられる奥行十分な収納を作って日本的な空間も用意した。
自分は集合住宅を設計する場合でも、普通の戸建の住宅を作るつもりで臨んでおり、水周り・トイレなどもプランの内部に収めるのではなく、外気に当たるような場所に取っている。面積の割にゆったりとした、いい空間になった。建物の名前は、「LOP(ロップ=耳垂れウサギ)」。「HUTCH(ハッチ=ウサギ小屋)」という集合住宅も所有するオーナーが命名した、ユーモラスな名前である。

  (荒木毅氏 談)

所在地:杉並区
構造:RC造
規模:地上2階
用途:共同住宅(4戸)
設計:荒木毅/荒木毅建築事務所
施工担当:中川、谷
竣工:2013年10月
撮影:篠沢裕

2013年11月12日 at 12:01 PM