166-1 表参道けやきビル

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

共生的介入(a symbiotic intervention)について

この建物は、表参道とそれに直交する小道との角地に計画された 8 階建ての商業ビルである。
西側に隣接しているのは伊東豊雄氏の設計による TOD’S ビルで、建物が L 字型をしているため
にちょうどこれに囲まれたような格好になる。
以前建っていた古い建物は、表参道に対してのみその正面が向けられていたため、建物の小
道側の側面がビルの裏側のようにぎこちなく露出していた。この度の計画では、やや不整形な
がらも円形に近い平面を用いることで、対角線の方向性を発生させている。これは、角地であ
る敷地の特性を活かすためであり、また隣接する TOD’S ビルと馴染みながら、お互いの存在を
より街に開き、立たせるような「共生」的な相乗効果を図るためでもある。
建物の構造は、鉄骨鉄筋コンクリート構造で、外周部に板目打ちコンクリートの長葉状列柱
を配列した。
表参道は、東京を代表するファッションストリートであり、その美しいケヤキ並木が通りに
連続性を与えている分だけ、繊細なデザインのビルがそれぞれ主張をしながら、比較的自由に
立ち並んでいるのが特徴となっている。歩行者の数も多いため、歩きながら少しずつ表情が変
化し、動きの中で意味を持つ建物とした。木の幹のような板目打ちのトーチ状フォルムによる
垂直方向のスケール感や、板目打ちコンクリートの素材感といった、周辺にはない要素を敢え
て投入するインターヴェンションをここの街路空間に行うことで、建物だけではなく表参道の
町並みの「気」を、より豊かで生き生きとしたものにしたいと考えた。

(團紀彦)

所在地:渋谷区
構造:SRC 造
規模:地下 2 階、地上8 階
用途:物販店舗
設計・監理:團紀彦/團紀彦建築
設計事務所
施工担当:夏井、田所
竣工:2013 年 11 月
撮影:トップ團紀彦建築設計事務所 ①②高山幸三③④⑤HUGO BOSS

2014年1月20日 at 4:12 PM