169-2 PLAZA EST 新宿3丁目

用途: 場所: 設計: 構造: 規模:

耐震機能と防災備蓄倉庫を備えた、都心のテナントビル

この地域は、第二次大戦の戦災で焼け野原となった場所で、再開発計画が入ったおかげで比較的道路の幅も広く(6m)、碁盤の目に走っている。また、副都心線効果で街の賑わいも増している。

 創業50周年を迎え、本社ビルを耐震性の高い、地域に貢献できる建物に建て替えてほしい」という建て主の希望にこたえるため、初めに構造設計者と可能性のある耐震方法を相談することからスタートした。細長い土地の形状と、建築の細長いプロポーションとから、制振構造とすることとし、さらに積極的に制振ダンパーを内装に組み込むことにして、意図を利用者にも明確にした。
店舗に人が入りやすくするために、なるべく中が見通せるようガラスのファサードとし、隣地との境界を感じさせない、オープンなエントランスアプローチにして、ビルが隙間なく建つこの地域に、少しでも開いた空間を提供したいと考えた。
一方、周辺の飲食店では夜遅くまで不特定多数の人々が出入りするので、セキュリティ面での配慮も必要である。建物の外から順に、営業終了時に閉じる「折り畳みゲート」、「機械警備オートロック」、「内部カメラ付きのエレベーター」、「各階のセキュリティロック式フロア扉」と、段階的にセキュリティシステムを設置し、意匠設計との両立を図っている。
「住宅のような居住性の良いオフィスに」というご要望に対しては、OAフロア以外すべて内装材は住宅仕様のものを採用している。道路斜線によるセットバックは、避難経路だが、各階に小さいデッキを用意し、植栽も施して集合住宅の仕様に近い形にしてある。
9階には簡単な備蓄倉庫を作り、有事の際に、数日間生活ができる程度の品物を用意している。この建物を拠点に街の活性化を図りたいという建て主の期待に、十二分に応えられればと願う。

(鈴木孝紀氏 談)

所在地:新宿区
構造:RC造
規模:地下1階、地上9階
用途:店舗・事務所
設計・監理:鈴木孝紀/鈴木孝紀建築設計事務所
施工担当:鈴木(拓司)
竣工:2013年12月
撮影:齊部功

2014年4月16日 at 2:00 PM