179-2 R4 BUILDING

用途: 場所: 設計: 構造: 規模:

多様な開口部で、変化のある内部空間を生み出したオフィスビル

オフィスとは、都心で最も社会的、経済的な概念を体現している建築物である。1914年、ル・コルビジェがドミノシステムを提案し、それまで石でできていた建築物に革命を起こして、モダニズム建築の流れが生まれた。そして、この六本木界隈では、ミッドタウンや六本木ヒルズといった、高層のオフィスビルが、その均質な繰り返しによる建築を展開している。
それに対して、この建物は約140㎡の敷地で六本木という一等地ではあるが、細い路地に面し、隣接する高さ40mのビル、裏側には小さな墓地があり、近くの公園も直接見えるわけではない、厳しい条件にある。ここで、これまでのオフィスビルのような均質な空間を作り出し、果たしてフロアで働く人々の作業効率に良い影響が与えられるだろうか。
しかし、この5-6mスパンというスケールであえて壁構造としたらどうだろう。大きくひとつながりの空間を生み出し、建物全体を外被で包み込んだようなファサードとし、開口部の大きさ、位置や照明に多様性を持たせることで、フロアの明確な定義は消えて、そこここにいろいろな場所が生まれる。人々は、思い思いの場所を選び、周辺環境に対しても、あえて見たくないものは見ないようにして、見たい場所を選べばいい。逆に、外部からも、中で働く人々の動きを垣間見ることができる。フロアはどの階がどこかわからないが、建物がひとつの塊として周辺に働きかける。
この建物は、ITの進化により生まれた、ubiquitous homogeneity (いつでもどこでも)が意味する「もはや不可能はない」という均質性よりも、「多くの可能性を選び出す」ことのできるオフィスとして、より人間らしく働ける環境を提示している。
(フロリアン・ブッシュ氏 談)

所在地:港区六本木4-1-25
構造:RC造
規模:地下1階、地上3階、roof garden
用途:事務所
設計:フロリアンブッシュ建築設計事務所
施工担当:綿貫
竣工:2014年12月
撮影: ナカサアンドパートナーズ

2015年2月16日 at 11:40 AM