182-2 koishikawa : (コイシカワコロン)

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

築43年の旧印刷会社のビルを多目的用途のビルにフルコンバージョン

建物は元印刷会社で、建て主は事業譲渡に伴い、社屋ビルは残し有効活用を図られることとされた。
◆躯体について
築43年のビルは、竣工2年後、5-6階をRC造で増築されている。躯体は印刷機械や運搬重機が入るなどしていたため頑丈で、耐震診断の結果、問題はなかった。階高は高く、開口部も4方向に開いている。建物の外周以外に柱がなく全体がワンフロアで構成され、設備はすべて入れ替えとなったが、建物の補修は外壁のクラックと屋上、外壁の塗装の塗り替え程度であった。今回は1-3階を保育園、4階は女性専用シェアハウス、5-6階は賃貸住宅にという多目的用途に変更する計画である。そのため、防火対策、避難経路の確保が新たに必要となった。屋外階段は避難階段として利用できなかったため、屋内のEV脇の階段を特別避難階段とし、また新たに避難経路として、バルコニーを建物の外壁から1mセットバックさせて設置している。
温熱環境については、外壁に断熱材を吹き付け、サッシをペアガラスとした。
◆内部のプランについて
4階シェアハウスは、すべての個室の採光を確保し、なおかつ8室という必要条件を満たすために、必然的に隣地と境界ぎりぎりの南北でなく、東西方向に個室を配置して共用のLDKを中央に持ってくる案に落ち着いた。
5-6階の賃貸住宅部分では、天井材を剥がすことで普通の賃貸マンションでは得られない高さの天井を確保し、各部屋の仕切りも開閉自由の引戸で大きな空間使用を可能にしている。現しになっていることで、梁に残されたスリーブや壁の塗装の肌合いなど、ハードになりすぎず、適度に建物の歴史を感じられる仕様になっている。床は4階と同じく無垢のメープルのフローリングで、設備関係のスペックは新築以上のスペックとなっている。
リノベーションといっても、都心の「小石川」という場所と、例えば「横浜」ではそれぞれの場所が持っている可能性が異なる。その地域を活かした作り方が肝要だ。

 (「北仲34」番場俊宏氏、原浩人氏、松野由夏氏、吉岡寛之氏談)

所在地:文京区
構造:SRC造 一部RC造(既存) 規模:地上7階
用途:保育園・寄宿舎・共同住宅
※保育園(1-3階)は他社施工
企画運営:R-バンク
設計:北仲34(キタナカサンヨン) 番場俊宏/abanba 、原浩人/ハラヒロト一級建築士事務所、松野由夏/hutte、吉岡寛之/iroirotoridori
施工担当:村田、高沢
竣工:2015年3月
撮影:アック東京

2015年5月14日 at 4:22 PM