193-2 上大崎の住宅

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

家族を守り、慈しむ、建て主の思いが込められた都心の住宅

多忙な仕事を持たれている建て主は、ご両親、2人のお子様との生活を充実させるため、新たな3世代住宅を希望された。
都心で多世帯の住宅となると、必然的に高密度なプランとなる。視線の抜け感を大事にし、自然を感じられる空間をめざした。地下1階、地上3階の建物は、ドライエリアが地下から地上2階まで吹き抜け、近隣との関係も精査して南側の光が一番取り込めるレイアウトとなっている。
構造はRC造で、車2台分の車庫を確保するため、2層分のキャンティレバーを用いて、その上に2階リビング、テラスを配置した。ことさら特殊な構造を強調したわけではないが、その部分はコンクリートの壁面に赤さび色のエイジング塗装を施し、コルテン鋼のような趣を出している。対する打ち放しコンクリートの壁面は、化粧型枠のための杉板を1回焼いて浮づくりの型枠パネルにし、さらに、1枚1枚、間に隙間を開けて、仕上がりが出目地となるように手間をかけて、より表情豊かな外観となっている。
ガレージ南側のアプローチを通り、玄関に入ると広いエントランスホールになっている。空調も入れ、ギャラリースペースが家具とその上の壁面に設けられており、仕事柄、来客の多い建て主のおもてなしの心が見える場所である。一方、フラットな床、ベンチは、ご両親の負担を軽くするものである。エレベーターは、可動階が3層分のため、将来も見据えたご両親の活動される地下1階から2階までとしている。
地下1階に、建て主の仕事部屋とお子様のプレイルーム、浴室・洗面所、1階は、エントランスの奥にご両親の部屋があり、2階はリビングダイニングとキッチン、そしてテラス、3階が建て主と子供部屋となっている。
浴室には、足触りの良い、温度変化の少ない防水性のコルクタイルを使い、さらにデザイン性のある壁面タイルや天井にヒノキを用いたりして「気は遣うけど、介護臭は出したくない」という建て主の大人の選定が活かされた、統一感のある仕上がりとなっている。
今回は持ち込み家具もなかったので、素材選びに多くの時間を費やすことができたが、それだけ仕上げの種類も多くなり、材料の取り合いは複雑な納まりになった。施工側の細やかな気遣いには感謝している。

      (中村和基氏、出原賢一氏/LEVEL Architects 談)

構造:RC造
規模:地下1階、地上3階
用途:専用住宅
設計・監理:LEVEL Architects
施工担当:堤
竣工:2015年9月
撮影:吉田誠

 

2016年4月8日 at 4:32 PM