197-3 湯島Kビル

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

アルミニウムのルーバーが美しい、アルミ製作会社の東京事務所

関西のアルミニウム製作会社の東京事務所の建替え工事である。もともと敷地の東南側の路地に面して、事務所の入るビルが建っていたが、再開発により周辺の駐車場や中小ビルが整理され、大きなマンションに生まれ変わることになった。代替え候補地として、湯島聖堂に通じる17号線に面したこの敷地が選ばれ、実施計画がスタートした。

この敷地は、直下を地下鉄が走っているため、地上の建物を新築する場合、建築制限があり(建物荷重8t/㎡まで)、道路自体も高低差があるという条件を考慮しながら、なるべくオープンな雰囲気のビルを、と考えた。ただ、開いたビルということでなく、ルーバーで視線を遮りながら明るさを取り込み、そのルーバーもアルミを用いて、会社の業を示す、シンプルで、洗練された材料のイメージを持たせた。

建物の中央にコアを設け、そこに水周りを置き、その隣に階段室を配置した。各フロアは最大限の容量を取るよう計画した。既に両側に建物が建っているので、前面となる北側と建物奥の空き地となっている南側(将来も3階以上は建たない)に大きく開口部を取った。
1階は、角度を振って、なるべく広いエントランスとなるようにし、隣家に接するアプローチには壁面緑化を設え、そこにアルミのスラブ(鋳塊)に刻印し板状にスライスしたものを銘板として設置した。同様に、部分カットしたアルミの鋳塊を建物の定礎として、前面道路沿いの擁壁に張り込んだ。道路の2本のイチョウの木が、ビルに彩を添える。

3階にはオーナーの会社の東京事務所が入り、当事務所も以前の建物に入居していた関係で、最上階に入居させてもらうこととなった。天井高も大きく取り、本棚や作業台などの製作家具を設えて、準備が整った。旧知のオーナーと新たな気持ちで仕事に臨むことができる。

 

(有馬立郎氏 談)

構造:S造
規模:地上4階
用途:事務所
設計・監理:
有馬立郎/計画意匠研究所
竣工:2016年6月
担当:鈴木
撮影:アック東京

 

2016年8月10日 at 8:50 PM