204-2 lani ebisu(ラニ・エビス)

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

大空に開かれた共同住宅

  敷地は恵比寿・広尾両駅から徒歩10分という、好アクセスに位置する。明治通りから少し南側、渋谷川を渡ったところで、用途、高さ制限がちょうど切り替わる境目にあり、建物南側は低層住宅が密集している。オーナーは、既にいくつか不動産をお持ちで、収支にも詳しいため、こちらもいくつかの候補地にボリュームプランを提出していたが、恵比寿は場所もよく、収益性を見込めるということで、計画はスタートした。
建物の北側は日影規制を受けている。両隣のアパートがどちらも4階建てであることからもわかるように、通常の階高設定だと4階しか建たない。しかし階高を絞り、僅かにレベルを地中に下げることで5階建てとすることができた。また前面道路は狭く、道路斜線制限が厳しいが、天空率を使って最大限の容積を確保した。
「恵比寿らしい空間を」という要望に応じるため、洗練されたモダンなコンクリートの建物の中に、
手仕事を感じる、味わいのある質感を持たせている。コンクリート壁を杉板化粧打ち放しにしたり、タイルやエイジング塗装の扉を用いることで、数多くのマンションが建ち並ぶ都心で、差別化が図れるのではないかと考えた。
 また、通常、賃貸住宅では行わないコンセプトも盛り込んでいる。つまり恵比寿のこの場所ならば、事務所としても、小さな店舗としても入居者を見込める。限られた面積に対し、使用頻度の低いものはなるべくそぎ落としておきたい。普通の共同住宅では当たり前のキッチンと浴室が、この建物では邪魔なのではないかと考えた。そこで、キッチンは熱源のない流しだけの簡素なものとし、浴室はコンパクトなシャワールームのみとした。結果的に竣工早々、すべての部屋が入居者で埋まった。半数は事務所使用である。オーナーも一安心されているようである。
最上階に、空を捕まえるような、見晴らしの良いオーナー邸ができた。建物名は、ハワイ語で「空・神様」を意味する「lani(ラニ)」という言葉から、「lani ebisu(ラニ・エビス)」とした。ハワイをこよなく愛するオーナーに捧げるのに、ぴったりの言葉である。
  (腰越耕太氏 談)
構造:RC造
規模:地上5階
用途:共同住宅
設計・監理:腰越耕太
施工担当:田所
竣工:2016年12月
撮影:海老原一己/GlassEye.Inc.
2017年3月16日 at 10:36 PM