237-3 フリーダムアーキテクツデザイン

2019年12月13日 at 3:41 PM

培ったノウハウをオープンにして業界の活性化を

今月は、O邸の設計を担当された「フリーダムアーキテクツデザイン」のご紹介です。神戸で創業され、今年、創立25年目を迎えます。17スタジオと3つのLabで、全国展開されて、注文住宅物件数は年間約400棟を数えます。プロモーションを担当されている方に、会社についてのお話を伺いました。

1995年、阪神淡路大震災が発生。当時、鐘撞(かねつく)正也社長は24歳。ITと建築の専門学校を卒業後、安藤忠雄のような建築家を夢見て設計事務所で働き始めたところでした。学生時代に仲良かった工務店2代目の友人たちから、プラン作成の仕事が舞い込み、神戸のために自分も何かしたいと鐘撞氏は1か月の間に50プランを描き、建築事務所フリーダムを設立します。しかしすぐに経営が順調にいくわけではなく、工務店や大手設計事務所の下請、確認申請を行いながら、会社を軌道に乗せるために、新聞折込、DM、見学会、と営業に創意工夫を重ねられていきました。2001年、名称を「フリーダム建築企画」としました。

2004年頃には、徐々に自社の設計提案が行えるようになり、物件が専門雑誌にも掲載されて関東でもニーズが出てきたことから、土曜日に上京してお客様と打ち合わせを行い、日曜に図面を描き、月曜に提出するというスピードでお客様の要望に応え、東京事務所を開設。1年で関西事務所を追い抜くほどの実績をあげました。

2007年に自由が丘スタジオ設立、2010年には初めての書籍「身の丈コストでデザイン住宅を建てる。」を幻冬舎から出版。
2011年には千葉事務所を開設、名古屋にも拡大しました。
2012年に横浜、新宿に、そして初めて東海エリアの岡崎に進出します。2冊目の著書「世界でたったひとつの間取りができるまで」を出版。

2013年、九州、福岡に開設。この年から「みんとち事業」=土地事業提案を始めました。世の中、土地を持っていない方が大多数で、それまで土地を所有されていないお客様とは不動産会社さんと組むことで仕事をしてきたわけですが、自力でマーケティングをし、土地事業を行うことで成約数は大幅に伸びました。大きなターニングポイントとなりました。

2014年、名称を「フリーダムアーキテクツデザイン」と変更、東京を本社としました。難波事務所ができて、大阪4拠点が完成しました。

そして「建築知識研究所」というサイトを(https://freedomlab.jp/)立ち上げました。情報をオープンにして建築業界の活性化に貢献したいという想いから始めました。例えば1棟建てたら新聞広告を出して見学会を開く。実績がたまってきたところで、そのサイトに「事例紹介」を入れ、そこに建設費の金額も入れる。当時の住宅業界では前例のないことでした。お客様に対し「注文住宅の敷居を下げた」といえるでしょう。

オープンにしたノウハウは(CADデータなど)お客様に対してだけではなく業界全体へのメッセージでもあります。注文住宅は一戸、一戸違うノウハウがあり、それは自社だけにクローズドさせがちです。でも社長には自分たちが培ったノウハウを業界全体に発信し、利用してもらうことで業界全体を活性化していきたいという願いがあるのです。

それは、リクルートにも影響しています。うちにはいわゆるハウスメーカーのような営業マンはおりません。ほとんどが設計者です。フリーダムでは設計者が直接お客様と打ち合わせをしてお客様の意見を聞く。ノートに書いてあってもお客様の言葉の温度差を直接的に感じ取る。設計者が活躍できる場を作っているのです。

「ノウハウはいくら公開しても構わない。技術を語ってどういう提案をするかがフリーダムの持ち味」と社長は言います。そういう自信があるのです。もともと図面を描いていた人がトップというのは重要な意味を持ちます。現場の設計をしている人の問題がわかるのです。

さらに、お客様が希望する家に対してのイメージが大事なので、具体的な画像をWEB上にご自身で置くことのできる「家チェキ」というシステムもご用意しました。
2016年にはリノベーション事業の「REDESIGN」を始めました。社長の3冊目の著書「夢を叶えるデザイン住宅の建て方」を出版しました。

2017年、いよいよVRを導入。この年は業界でも「VR元年」と言われています。2015年くらいから構想がありました。VRにつながるBIMは通常大型施設に使われていますが、戸建てにも利用できるかもしれないと、早期から導入を始めました。これまでBIMで起こした図面と実施断面図、平面図で若干ずれる、チェックに時間がかかるという課題がありましたが、Revidモデルで同じデータから平面図、立面図がつくれるようにと検証を重ねていきました。さらに確認申請をしている民間組織とVRで電子確認申請を行うフローの構築も行いました。

特に「社長の邸宅」クラスの富裕層の方は、情報感度が高く、コスト意識が高いので、VRに対しての感じ方、納得具合が違います。欧米では、モノづくりの現場でVRを使うことがすでに主流となっており、家具などのデータもすべて埋め込めることができるため、プランに対して選択したものの素材、面積だけでなく、総額を事前に出せるなど非常に効率がいいのです。この事前にわかるというワークフローが、実は家づくりのリスク回避にBIMがメリットとなる部分です。変更コストがいつの時点で後戻りできないのか、それぞれのパーツで先にわかることでお客様のリスク、設計事務所のリスク、施工会社のリスクを総合的に判断できる。ここを考えているかいないかが非常に大きいのです。

施工会社さんも業界としてBIMが普及してくるといいですね。まだ広がりはわずかですが、モデルケースを作ればノウハウをお伝えできると弊社も「アーキアンドテクノロジー」という施工会社を作りました。施工会社さんの視点でお伝えできる情報が徐々にたまってきて話ができるようになってきています。間違いなくいい方向になると確信しています。

フリーダムアーキテクツデザイン株式会社本社
中央区日本橋久松町10-6FT日本橋久松町ビル6F
電話:03-5651-1791
www.freedom.co.jp/