240-3 新型コロナウィルス感染症流行の住設への影響

2020年3月11日 at 11:43 PM

住宅設備機器メーカーは2月中旬から新規受注をストップ、納期も未定

㈱タカムラ 瀬崎憲次郎 営業部副部長に聞く

新型コロナウィルスの感染症流行が世界中の経済に影響を与え始めています。中国に部品工場を置く、日本の住宅設備製品のメーカーでは部品の納入が困難になり、納品にストップをかけざるを得ない状況が生まれています。弊社取引先の住宅設備機器代理店、株式会社タカムラの瀬崎憲次郎営業部副部長に現在の情報をお話しいただきました。

―メーカーの製品情報は主にどういうルートで出されますか。
瀬崎:まず、メーカーから代理店に商品の受注状況、納期に関するご案内という文書が出され、それを受けた代理店が取引先のゼネコンなどに連絡をします。ゼネコン側は設計者様、お施主様へ情報提供を行い、工期の延長などの調整を願い出ることになるかと思います。現在は各社とも逐一報告書を送ってくるようになっていますね。

瀬崎:主要メーカーの最新の情報をご紹介しますと、今一番深刻なのは、ウォッシュレットなどの温水便座と中高級ゾーンのウォッシュレット付き一体型便座、タンクレストイレです。TOTO、LIXIL、パナソニックで市場の9割以上を占めますが、出荷できない状況になっています。
例えばTOTOの世界的にも有名なネオレストというトイレですが温水洗浄便座の電子部品が入ってこないため出荷できない。LIXILにしてもサプライヤー(部品調達先)が中国というのが多いので大変です。TOTOはベトナムにも工場がありますが、今ベトナムは国内向け需要が伸びていて簡単には調達できません。ご存じのように昔と違い、今はどのメーカーも「ジャストインタイム」で極力在庫を持たないようにしています。それが仇になってしまっています。

またトイレなど陶器の商品については、昔はいろんな色があったのですが、今は白、アイボリー、ピンクの3色に限定していて、白以外は受注生産という形で納期がかかる仕組みになっています。それでコストを下げてきたわけなのです。
東日本大震災の時問題になったのが、ユニットバスのトラップを作っている会社の工場が東北にあったためほとんどのメーカーでユニットバスを出荷できなくなったことでした。ユニットバスとして一番大事なトラップがないと製品として現場に納められません。そこから各メーカーとも部品メーカーを1社でなく複数持つように心掛けられたかと思いますが、今回はもっと厳しい状況です。
食洗機の部品、それからIHヒーターも深刻です。食洗機のトップメーカーはパナソニックで、かなりのシェアを占めていますが、新規受注は受けられないとのことです。食洗機は、リンナイ、三菱もありますが、やはり出せないという案内が来ています。また木製建具、金物も出荷できないところが多いですね。

―工期の最終段階で止まってしまっては、大変なことになってきますね。
瀬崎:実際、最終段階で商品が供給できないという現場が発生していまして、メーカーも緊急性の高いところを精査して、いったんすべての納品をストップした上で、対応されているようです。
クリナップは、東日本大震災の時には、業界で初めて、「供給できない」という情報を発表したメーカーです。他のメーカーは少し遅かった。クリナップはそれで復旧も一番早かったんです。業界ではよく知られていることなんですが、そういう姿勢が評価されています。
空調機も18日にダイキン工業が受注停止を発表して、翌日三菱電機が発表されました。普通のエアコンは、壁掛けタイプの6畳、8畳、12畳といった一番よく出るタイプについては、各代理店とも通年で在庫を持っていて、弊社も発表前にさらに確保しました。
このように、メーカーからの情報は毎週のように更新はされています。

さらに工場が平常時の操業に戻っても、港の出荷状況の混雑・遅延の発生で先行きの部品供給は不透明な状況だとのことです。こういう事態を見越したユーザーから、すでに相当数の注文が入ったために、新規注文を一時停止したメーカーが多く、2月19日以降の注文は回答ができないということになっています。1日も早く事態が収拾してくれることを願っています。
―どうもありがとうございました。

今後も対象品目が拡大する可能性があり、適宜情報発信をする予定とのことです。建築資材や電気工事などその他の各種工事にも少なからず影響が出てくることが考えられます。

報告書を送ってきたメーカー(2月19日時点)
TOTO、LIXIL、パナソニック、クリナップ、ナスラック、セラトレーディング、永大産業、ノーリツ、城東テクノ、トクラス、ハウステック、大建工業、ダイキンHVAC、タカラスタンダード、三菱電機

取り扱い商品
食器洗い乾燥機、キッチンシンク、システムキッチン、IHヒーター、ユニットバス、バスタブ、水洗金具、ウォッシュレットトイレ、洗面化粧台、電気温水器、クリーンドライ(ハンドドライヤー)、階段回り部材、室内ドア、シューズボックス等の金属部材、レバーハンドル、照明、パワーツール(動力工具)、太陽光・蓄電池、空調設備(ルームエアコン、パッケージエアコン、換気扇)、通信映像(セキュリティ、サウンド、プロジェクター、フラットパネル、プロAV)、高気密天井点検口


株式会社タカムラ

創業:昭和3年
資本金:3,500万円
代表取締役 髙村昌秀
所在地:東京都世田谷区代田5-7-6
電話:03-3414-5101 FAX:03-3413-0747
事業内容 : 住宅設備機器、空調設備機器、エクステリア関連商品、木質建材商品、一般建材商品、住宅総合サービス、住宅関連商品のシステム販売
※創業からほぼ90年、専門商社としてより確かな商品情報を提供していくことをモット―としている。