246-3「ご縁で広がる街づくりの仕事」 大橋伸光/秀光建設株式会社 代表取締役

2020年9月11日 at 9:38 AM

今月は、『エスセナーリオ南麻布』の発注者、秀光建設株式会社代表取締役の大橋伸光氏にご登壇いただきます。秀光建設株式会社は、木造の建売住宅の建設・販売を手掛ける一方、都心の収益物件の建設にも力を入れておられます。

—戸建住宅の建設・販売も長くていらっしゃるのですね。
大橋:秀光建設は私の父が昭和53年に設立し、この中野の地で仕事を続けて、5月で44期を迎えました。父は若い時から私には「好きな事をやればいい」と言ってくれていましたので、社会に出てからは幅広く勉強しようと、まず新宿にあるマンションデベロッパーに就職しました。その会社が、とにかく営業ありきで、号令をかけて「売ってこい」という、今でいうブラック企業。物件を買われたお客様は快適に住んでいるのだろうかと疑問に感じることも多くなって、数年して、父が体調を崩したので父の会社に入社しました。不動産の仕事もすぐには切れなかったので続けていきました。3年前に亡くなりましたが、父の教えは「何事も人とのご縁に尽きるものだよ」と言うものでしたから。

マンションデベロッパーで学んだ、会社の都合による販売ではなく、お客様本位の仕事をしたいと40代くらいまで快適な家づくりを心掛けていたのですが、不動産業も続けていると業界での知り合いも増えていきます。同業でいろいろと会う機会の多かった、モデリアの郷内秀峰社長とアルファマネージメントの米光清史社長と気が合って、食事をしたりしているうち、得意分野で協力して仕事をするようになりました。というのも50近くにもなると、不動産会社の社長さんは人の言う事聞いてくれる人ってあまりいないんです。新しいことをやりたいと考えても、うちの会社がやるべきこと、やれないことがあるという思いが強くなって、郷内社長や米光社長の力を借りて、建築家の木下道郎先生や佐々木龍一先生を紹介してもらいました。当時、赤坂に取得した土地に、いつもうちがやるような家を建ててと考えていましたが、「この場所にはもっと違ったポテンシャルがある」と皆さんからアドバイスを受けたのです。ミッドタウンの公園の裏手の静かなところで、隠れ家的要素もある。コンクリート打ち放しの外観で、少し傾斜のあるアプローチにヨーロッパの風合いを出した小舗石を敷き詰め、真っ白な擁壁、足元の照明、と木下先生の設計でわくわくするような建物ができました。地域に合った、資産価値としても有効なプロジェクトになって、稼働率もよく、こんなに違うものなのだと実感しました。

それから海外事情に詳しい佐々木先生の力もあって、海外の建築アワードに参加し、いくつかのプロジェクトで賞をいただくようになりました。受賞云々ではなく、心ときめく、お金には代えられないものです。単に今までにない奇抜なものというのではなく、使い手がいろんな住み方を想像させられるようなもの、シンプルな中にも躍動感のあるもの、そんな建物は街も変えます。だから責任も生まれます。同じ作るなら、そういう建物を作りたいと思いました。ヨーロッパでは古いものが大事にされます。アワードのイベントでは、そんな空気を海外の人たちから感じられることも大きいですね。
私が開発用地をいち早く入手し、郷内さんのマネジメントでプロジェクトにゆとりが生まれ、設計の先生方のプランで料理していただく。米光さんの管理で建物がずっと価値あるものとして生き続ける。3本の矢が5本の矢になり、今に至っています。

最近はコロナ禍となって、改めて「自宅」を充実させたいという人が増えています。先日もある物件が竣工を迎え、内覧会を開いたのですが、来場者のアンケートでは、家でやりたいことの要望が多岐にわたっていました。我々にとって大事なのは、なぜお申込みをいただけなかったかというマイナス情報の方。トイレにコンセントはもちろん、携帯を置く棚も用意していなくてはならないとか、私には思い付きもしないことも多く、かゆいところに手が届くように用意しておかないとならないのです。
バブルもあり、リーマンショックもあり、姉歯事件、そして今回はこのコロナです。私が仕事を始めたこの40年で世の中は思いもかけない出来事が起きています。そんな変化に柔軟に対応できる頭を持っていないとなりません。それにはまず人の話をしっかり聞かなきゃならないということ。今は友達だろうが夫婦だろうがスマホで、LINEで会話して済ませますね。私は家族や社員には直に話します。メールは大嫌い。直接電話で話したい方なんです。そうでなければ、本当の言葉の意味は伝わらないでしょう。

—本当にそうですね。本日はありがとうございました。

 

 

秀光建設株式会社

代表取締役 大橋 伸光
所在地:〒165-0026 東京都中野区新井1-12-14
設立:1978年
免許:東京都知事(11)第35066号
営業目的:戸建住宅・収益物件の建設・販売、不動産の売買・仲介・管理、建設工事の企画・請負・管理
電話:03-3385-7111(代) Fax:03-3385-7131