170-4 武田 哲一/学校法人東京国際学園 理事長・校長 

2014年5月9日 at 11:50 AM

専門学校は外国人定住者育成の中核

武田哲一氏 新校舎理事長室にて  撮影:アック東京

今月は、東京外語専門学校の武田哲一理事長(校長)にお話を伺いました。

武田:本校は、日本語教育をはじめ、海外からの留学生が多く在籍している学校です。今回の新校舎への建替えは、海外からの留学生や親御さんにとって、震災後の日本で学習する上で、安心できる環境にしたいという思いがありました。
学校設立は38年前ですね。前身は電子専門学校で、IT系の日本人の技術者を対象に、国際的に活躍できる人材育成を目指したものでした。海外で働くための英語力を身につけてもらうもので、平成3年まではほとんど日本人の学生でしたが、18歳人口の減少で平成4年をピークとして、以後海外からの留学生に対し日本語教育を行う方向になっていきました。
―日本では今、労働人口の減少が問題となってきており、今後は海外からの労働力にも頼らなくてはならないと言われています。
武田:現在、就労が許されているのは、「高度人材」と呼ばれる、かなり専門能力の高い人たちだけです。そのほか中堅クラスの労働力と対応しているのは、「技能研修ビザ」と呼ばれるもので、一時的なものとして扱われています。農業や漁業では進んでいますが、人手不足の建築や介護の分野でも来年度から受け入れを増やしますね(期間延長や再入国の許可)
でもすぐには技術者を育てられないし、やはり効果的なのは留学生。現在、日本にいる留学生は17万人ですが、その留学生たちを増やす「30万人計画」が策定されており、さらに2年制の専門学校卒業生(調理や美理容など)も「中核人材」としてきちんと就労できる仕組みづくりが今後の課題ですね。
「移民」という言葉に敏感な日本人ですが、流入する外国人が多くなればなるほど、中国人、日本人と固まってグループになりやすい。それを解消するには日本人一人一人が国際化しなくてはならないと僕は考えています。 日本から海外へいく学生が減っているといわれていますが、日本から外への「20万人計画」というものも策定されています。本校では毎年20名ばかり、4年制の北京外国語大学に送り出しており、卒業後20%の学生は中国に残って仕事をしています。ビジネスチャンスはすごくある。卒業生の中には、中国で会社をいくつも作って、大成功している人もいます。
中国との関係では、メディアでもいろいろ言われますが、民間レベルではほとんど疎外されていませんね。中国人は、日本も日本人も好きですよ。特に中国の外国語大学の人と付き合っているのでわかるのですが、まず日本人は漢字を中国からもらっているという意識がありますね。しかし、今の中国語の半分は、日本人が過去、作ったものなのです。例えば、「経済」という言葉も、もともと中国語にはないものです。明治時代、アジア圏でいち早く西洋文化を取り入れた当時の日本人が、英語、ドイツ語を漢字に翻訳したのです。医療用語などほとんどそうですね。少し教育を受けた中国人なら「今の中国語は、日本からもらったものばかりよ」とわかっている。目からうろこの話です。
それよりも心配なのは日本の若い人たちですね。実はホスピタリティやコミュニケーション能力が決して高くない。東京オリンピック招致の「おもてなし」という言葉のように、海外から外国人をお迎えする上でそれをできる人がどれだけいるでしょうか。東京オリンピックまでの人材育成が急がれます。それには、職業教育を担う専門学校の役割は、本当に重要です。
大学全入時代に入り、今までのような1本ラインでは無理です。大学の大教室で社会人マナーを教えられますか。それに「大学に落ちたらそれで終わり」ではなく、次の路線へという教育の形態をとるべきでしょう。ヨーロッパでは、大学に行く人はわずか。教師を目指す人くらいで、ほとんどの人は専門学校に行きます。域内の高等職業教育の統一化も終わっている。技術、分野の色分け、認識が共有されているのです。それに倣い、アジアでも韓国、オーストラリアが中心となって、高等職業教育の統一化を図ろうという動きが出ています。

今後は年金が減ったり、受給年齢が引き上げられたりしますから、子育て中の母親や定年で退職した方も資格を取得し、再就職への足掛かりの場としても専門学校をおおいに利用していただきたいですね。
―本日はありがとうございました。

「より多くの労働人口を確保していく上で、専門学校の役目は大きくなっていくと思います」

入学間もない台湾からの留学生たちと、ラウンジで歓談する武田理事長

 

 武田 哲一

1960年京都府生まれ
2002年学校法人東京国際学園理事長に就任、同時に東京外語専門学校校長に就任

全国学校法人立専門学校協会常任理事・留学生委員会委員長全国専門学校日語教育協会 常務理事・総務委員長
社団法人東京都専修学校各種学校協会 副会長・理事(総務部総務部長)
私立専門学校振興会 幹事・国際交流事業委員会委員長
東京商工会議所 新宿支部評議員
東京新宿ロータリークラブ会員

 

学校法人東京国際学園 東京外語専門学校

1976年4月 開校
設置学科:国際日本学科、 日韓通訳科、 日中通訳科、 日本語科
併設校:東京国際福祉専門学校
関連校:北京外国語大学中文学部東京事務所 (NPO国際交流教育後援会)

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