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37-2 Villa Porta Bella

2世帯住宅です。1階を2世帯にわけ、南庭を通して外から行き来することにしました。内壁に穴を開けることまではしたくなかったそうです。庭に面した、ダイニング・キッチンには、有名メーカーのシステムキッチンも検討しましたが、作り付けのものを家具屋さんに注文し、出来栄えにも満足されています。

特に、床は掃除がしやすいように、ビニール製のクッションフロアにしました。絵の制作作業もあり、お孫さんもまだ小さいため、神経質になることがないような素材に決めました。
「大勢の人が集まる場所にしたい」という社交的な奥様は、ここに長いテーブルを据える予定です。
ダイニングの脇の和室は、少し高くなっており、掘りごたつが設けられています。床は畳ではなく、スモークコルクを貼り、しまいこんでいた和ダンスがここには納められます。この和室の障子も、本物ではありません。和紙ではなく、メンテナンス不要のアクリル製にし、押入れにも同じものを使いました。和室の脇の階段を下りると、絵の収納室とは別にもうひとつ地下室があります。
ここは、大勢の来客を迎えたときの、多目的ルームとなります。オーディオ・テレビが備えられることになるそうです。
こうして、価格の高い本物と普及品を上手に選ぶ足し算と引き算を繰り返しながら、趣味やスタイルを重視した、楽しい家作りが出来ました。

 

29-3 岡本の家

竣工当時は、設計者であり建て主でもある、中村晃氏に取材をしていなかったため、SHINCLUB105号p4(メンテ魂第13回)で改めて建物について伺いました。

105号メンテ魂より

世田谷区の閑静な住宅街の斜面に建つ「岡本の家」は、自然に囲まれ、シンプルで真っ白な外観が美しい住宅です。建て主の中村氏 がご自身で設計を手がけられています。

竣工当初は外構工事を残されていましたが、少しずつ手を加えられて、1 年半ほど前にほぼ完成しました。同じ斜面の隣地にも家が 建ち、落ち着いた環境が確保されています。

中村氏と奥様にお話を伺いました。

中村 : 話はこの家を建てるときに遡りますが、 実はほかの土地にほぼ建 設を決めていたのです。
が、 この場所を見つけてほとんど一目ぼれ。 遠くに富士山を望める景色の良さ、 緑に囲まれた静かな環境で、 斜面 ということにもかえって設計のやりがいを感じました。
いったんは挫折しか けたのですが、 辰さんに調整いただき、 実際に建てることができました。
奥様 : これまで手を入れたのは、 応接間の床のカーペットを自分たちで 張り替えたこと、 1 階のリビングから、 庭にデッキを設け、 入口にゲート をつけてもらったことでしょうか。

中村 : 今回わかったのは、 「建物は竣工時に全部できてなくてもいい。 逆に、 少しずつ見直しながら、 アイディアをひねって作りこんでいくこと でいいものができる」 ということでした。
完成したら、 夢が終わってしまう でしょう。 未完成だった外構は、 少しずつ手を入れることで次々に新た なアイディアが沸くという感じで、 ほぼ 1 年半前に完成しました。
それを 機会に独立し、 自宅で設計事務所を始めることにしました。

この家にクライアントに来てもらって打ち合わせをすると、 100% 皆さん 納得してくださって成約してもらえます。 特に「斜面に家を建てるお客様」 は、 土地が安く手に入った分、 どうすれば建つのか、 工事にどのくら いかかるのかと不安ですから、 実際にプロセスをわかっていただくため に、 モデルルームとして非常に役に立っています。
ただ、その後法改 正があって、 この建物のような同じフロアに混構造のある建物が確認申 請を通すには、 昔より審査に手間取ることになるでしょう。
ここ数年で鉄 骨も値上がりしましたからね。 あの頃、 施工に踏み切ってラッキーだったと思いますね。

―ガラスの開口部側が鉄骨造で、 斜面の壁側が RC 造ということで、 開放的な空間を生み出しているのですね。
中村 : 隣接する南側の公園の斜面は、 うっそうとしていましたが、 竹 以外の雑木を区に伐採してもらったら、 予想以上に見通しがよくなっ て、新たな景色を楽しんでいます。
それから、近隣にお住まいの方々 には非常に評判がいいです。
高い建物にならないように、斜面に沿っ て建物の 3 階をエントランスにすることで、 周辺の既存の建物の景観 を損ねないように気を使いました。

一方で自然に囲まれているので、この 6 年間のメンテナンスというと、 なんといっても、 設備の故障が大きかったですね。

もうこれはしょうが ないことなんですが、 給湯器が不調なので調べてもらうと、 ガス管に アリの死骸がびっしり詰まっていたり、 エアコンの室外機は鳥が食べ 物を取っておく場所になったり。 鳥には自分の食べ残しを溜める習 性があるそうです。設備業者は「こんなことは都内ではめったにない」 とあきれていました。

奥様:隣の家が建つまでは、 毎日タヌキの親子が通っていましたね。 上のエントランスに池を作って、 水を張ったらカルガモが入ってきた んですよ (笑)

―鳥の鳴き声が聞えて、 ほんとに別荘に来たようです。

中村 : 下の庭はこれからの楽しみにとってあります。

―本日は、 どうもありがとうございました。

 

所在地:世田谷区
構造:RC造
規模:地上3階
用途:専用住宅
設計・監理:中村晃/アーキプラス
施工担当:夏井・内海
竣工2002年8月
撮影:編集部

28-2  駒場幼稚園改修工事

昭和30年に開園、内外ともRC打ち 放しの現在の建物が竣工した昭和48年から自然土壌(土厚約 40cm)を入れた屋上緑化を施していました。
しかし、現在のM園 長先生が来られた7年前までは、屋上は芝と田んぼだけで、園庭 もあまり緑がなく、排気ガスで汚れたジャングルジムは基礎が危 険だということで使われていなかったのです。心なしか子供たちに 笑顔が少ないと感じられた先生は、自然とのふれあいを通してい ろいろな経験をさせ、笑顔を取り戻してやりたいと、どんどん園の 手入れを始められました。雨漏りの原因となっていた屋上の階段 状構造は危険で子供も上がれないものだったので補修を行い、 プール付き滑り台と花壇に様変わり。西側の広いスペースには、さ まざまな野菜、樹木を植え、季節の収穫を楽しむ機会を持たせまし た。保育時間に子供たちは草花に水をやり、夏になると真ん中に 大きな簡易プールも登場します。田んぼの稲刈りは保護者の協力 を得て楽しいイベントになりました。園庭は知り合いの造園業者の 協力で緑が増え、ジャングルジムも明るい色に塗り変えられまし た。門から建物までのアプローチの木々には、手作りのオブジェが ぶら下げられ、来訪者を迎えます。あちこちに緑があふれ、本当に オープンな雰囲気の幼稚園なのです。当時27人だった園児は150 人に増えました。「予算?そんなにありませんよ。いろんな方の協 力でここまで来たのです。」と話す向山園長先生は、若い先生方に てきぱきと指示を出す、笑顔の素敵な女性でした

15-3 T-house

渋谷から代官山へ抜ける、静かな住宅街に住宅兼オフィスが建ちました。デザイナーであるお施主様の女性らしい感覚が反映された住宅です。最上階の吹抜け部分は大きく円形にえぐられた天井をキャットウォークが回り込み、とても明るい空間になっています。
(写真はお施主様自身の撮影によるものです)

構造:RC造 ラーメン
規模:地上6階 塔屋1層
用途:共同住宅・事務所
建築:30.25㎡
延床146.48㎡
竣工:2001年6月
設計・監理:㈱辰