株式会社辰

101-2称名寺本堂

物件概要

用途
寺社
設計
岩倉建築設計事務所
構造
RC造
竣工年月
2008年3月
場所
埼玉県春日部市
規模
地上2階
雑誌掲載あり

物件概要

老朽化した木造のお寺の本堂の建替え工事である。 住職 ・ 檀信徒の要望により、 建設委員会が設けられ、 委員会の献身的な努力により、 当初の計画よりも2 年ばかり早く竣工することとなった。 「古来からある木造寺院とは違う寺を設計してほしい」 「一般市民である檀信徒が集まりやすく、 自慢ができて、 かつ威厳も備えている。 そんな現代に生きている老若男女が誇りに思える新しい 『称名寺』 という固有名詞の寺を考えてほしい」 という住職の希望を理解し、 どっしりとした重量感と開放感を併せ持つ建物をイメージした。 RC 造打ち放しで、 鉄骨トラスで屋根を張り、 木の下地に瓦葺とした。 高さがあるため、 向拝 (仏堂の正面上部に張り出した庇の部分) を前面に出すことでバランスを取っている。 寺社建築が本来持つ回廊性を生かし、 1階の本堂の周囲をすりガラス状のシートで囲み、 2 階はその部分を外部にして開放感のある空間を創出している。 1 階のエントランスを入ると、 中央の大きな廊下が訪れる人を向かい入れ、 正面には納骨堂が、 左右に控え室として和室が3つ設けられている。 向かって右側の奥は、 既存の客殿と扉でつながっている。 2 階の本殿へは階段と、 住職の希望により高齢者の多い檀信徒のために寺院には珍しく 2 基のエレベーターを設置し、 極力バリアフリーを心がけている。 上がりきると御影石の床の玄関、 フローリングの外陣、 そして2体の菩導法然像を左右に従えた阿弥陀像のある内陣へと続く。 内陣の裏側には控え室、 厨房、 手洗いなどがあり、 左右の入口から入ることができる。 長年設計に携わっているが、 施主、 施工業者が我々設計事務所に対して大変理解があったことに、 改めて感謝したい。