247-1 RC造で

2020年10月10日 at 7:38 AM

写真は、6月に竣工した恵比寿のテナントビルです。東京メトロ日比谷線の恵比寿駅からは徒歩2分、JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン恵比寿駅西口からも徒歩4分の好アクセスです。敷地はヒューマンスケールの道路に面しており、賑わいのなかにも洗練された落ち着きが感じられるエリアです。
幅広く事業を手掛ける事業主様から見ると小さな規模のビルですが、今回敷地の特殊性から、少しデザイン性のあるビルを自社所有として利用されたいというご希望で、「ハル・アーキテクツ」の竹内巌氏に設計を依頼されました。

当初はコスト面から鉄骨造という方針でしたが、なるべくファサード側に柱がない空間にしたいというリクエストが出て、敷地と構造の形状が複雑になるにつれ、鉄骨も斜材が多く、接合など手間が予想されるようになってきました。施工は古くからお付き合いのある方を通して弊社をご紹介いただいていたのですが、辰の当時の社長、現森村会長が、「オリンピック需要で鉄骨の価格の値上がりが予想され、鉄骨造は外壁の選定など決してコストが低いわけではないので、形も複雑になるなら最終的にRC造の方がいいのでは」と提案しました。またその後の検討で8階建てにすることができ、より立ち姿を美しくデザインする方向で話はまとまり、RC造に変更されました。
「恵比寿も中規模のものは同じような形のビルが並んでいますが、ちょっとデザイン性のある建物が入ると小さくても刺激的ですね」と竹内氏。施工面では辰の地味な部分の頑張りも評価しています。
「コンクリートを薄くして収まりをうまくまとめたり、バルコニーのガラス廻りの防水に配慮して立ち上がりをつけて収めてくれたりと、全体として目立たない部分で力を発揮してくれました」

道路から見あげると、バルコニーの軒裏の木を貼っている部分が目を引きます。
「見あげたところもファサードの一つと捉えて、デザインしています。マンションなどでも、通常は外側にタイルを張るのが普通かもしれませんが、逆転させて、内部の小壁にタイル、外は打ち放しにということもよくやりますよ」と竹内氏。全てをセオリーだけでまとめるよりも、やはり少し余裕がある方がデザインはいいと言います。

「一般に商業施設はガラスファサードで中を大きく見せるのが普通です。私が以前渋谷で建てた5階建てのビルのように、中に仕込まれている階段、奥のエレベータまで表から見えるものもあります。しかし、今回はRC造で独特な敷地に合ったものを作ることができました。当初、四角ではない土地を購入されるとき、お施主様はまだ完成形のイメージは整っていなかったようですが、このジグザグとした形状の案に、『いいかも』と良いイメージを持ってくださいました」
「一つ隣のビルなど、表通りの新しいビルは緑化を施したりして、自然環境を意識し、街をよくしようという意思が垣間見えます。それに我々も今回、賛同しようという主旨でデザインしました」とお話くださいました。

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