254-1 光を当てる

2021年5月10日 at 5:22 PM

「Zet JINGUMAE」 撮影:アック東京

写真は昨年末竣工した「Zet JINGUMAE」です。地上2階、地下1階のテナントビルで原宿キャットストリートの終わる、住宅街と隣接した「際」にあります。

このビルの建て主の加和太建設㈱は静岡県三島市に本社を構える建設会社です。75年前の1946年に近畿土建株式会社として明石市に創業され、1962年に現在の三島に本社を移され、社名を加和太建設株式会社とされました。お名前の河田(かわだ)様の字母で当時台風の際にお寺さんに付けていただいた名前には「基本を大事にしつつ、皆で力を合わせていこう」という意味が込められています。

現社長の河田亮一様は四代目でいらっしゃいます。近年三島をはじめとして静岡県内で地域活性化のためにさまざまな活動や施設の運営をされています。
「まちなかオフィスプロジェクト」は、市内の中心市街地にある空き店舗や2階以上が空室となっている物件を中心に空室部分を建物所有者から借り受け、スモールオフィスへとリノベーションして本社機能を分散し事業部や課ごとにそのオフィスを利用する仕組みです。社員をまちに送り込むと同時に、コロナ禍で少人数に分散化することは一石二鳥の大変面白い取り組みです。

また三島市内を中心とし、あちこちに設置された黄色い自転車が目印のシェアリング自転車「ハレノヒサイクル」。自転車で移動するのにちょうどいい大きさの街を観光客や住人の方々にゆっくりと周囲を見て感じてほしいという想いで運営されています。
現在のように地域のために活動されるきっかけは少し意外なところにありました。「高校を海外に行かせてもらった親孝行のために、数年会社を手伝うよと戻ってきたんです。あらためて建設業の魅力に触れて、父に建設業をやらせてくださいと頼みました」と河田社長。
そうはいっても、当時はまだ地元の活性化を仕事にしようとは考えたこともなかったそうです。ところが自社の、とある土木現場監督に出会い、いろんな苦労をして道や橋を作っていることを知り、「その彼らの想いは果たしてどの位の人に伝わっているんだろう。地域のために作っているのに」と彼らの想いや物語を多くの人に届けたいと思ったそうです。「それにはまず建設業のあり方から変えないとダメだ」と考えました。

「彼らが街を作っているんだというメッセージを発信し、彼らも街の人に感謝されたら、自分の仕事に誇りをもって臨んでくれる。現場で働いている彼らにもっと光を当てたい」という想いから、現在の街との関わりがスタートしたのだそうです。今では、行政からお声がかかるほど静岡県の地域活性化のため精力的に活動されています。