261-1 歴史の終幕から新しい歴史へ

2021年12月13日 at 10:03 AM

写真は今年5月に竣工しました「シェノン三軒茶屋」です。建て主様の専用住宅兼共同住宅として、さまざまな施設の設計・監理、監修で200 棟以上の実績がある会社、フリークスが設計をおこないました。

場所は新旧の建物が入り混じる三軒茶屋。アクセスがよく平らな地形は自転車を活用する若者に人気の街です。国道246 号線沿いにあるその街は、池尻大橋方面へ向かうと渋谷に近づくにつれ、真新しい建物や首都高速などが都心の雰囲気を感じさせますが、1本裏側に入ると古い商店が続き、モノ作りを主とするクリエイティブな人々が住まう、人に優しい街並みがみられます。特に三軒茶屋の駅近くには、世田谷通りと国道246 号線に挟まれた「三角地帯」に、エコー仲見世通りを中心に昔ながらの飲み屋・食事処が多く、令和になった今でも古き良き昭和を感じることのできる場所となっています。その三角地帯から近い、世田谷通りの南側、中里通り商店街で古くから地元の方たちに愛されてきた銭湯「栄湯」のオーナーである建て主様からコンサルタントの依頼を受けた東急株式会社のご紹介により、今回の計画がスタートしました。

時代の移り変わりとともに、「お風呂屋さん」から「専用住宅兼共同住宅」として生まれ変わり、この度新たな歴史が始まります。「もともとは敷地いっぱいに2階建ての立派な銭湯があったのですが、建て主様もご高齢になり、その存在を惜しまれながらも、ご自宅と賃貸共同住宅に建て替えようという計画になりました」と設計の堂山毅氏。

敷地は角地を挟んで商店街とL 字の道路に面しており、共同住宅と建て主様宅の入口をそれぞれ別々に接道することで、同じ建物でありながら入居者と顔を合わせることのないようなプランになっています。

「もちろん入居者の方たちと顔を合わせるのがダメというわけではありませんが、せっかくなら分けてお互いに気を使わなくていいようにした方が良いんじゃないかということで、今の計画に落ち着きました。室内も共同住宅側と建て主様宅側を壁で区切っています。そうすることで共同住宅部が1000 ㎡以下となり、東京都の条例の中でも一つ下の基準で済むようにしています」と堂山氏。

東側上層階からは都心を眺める絶景が望めます。東側の地区は建築物の高さ制限の関係で高くても建物は4、5 階までしか建ちません。

住まう人々の多種多様な街の雰囲気を感じられる唯一無二の建物がまた1つここに完成しました。