264-1 時代の流れと地域によって求められるもの

2022年3月11日 at 6:53 PM

写真は、昨年11 月に竣工いたしました「ESCENARIO ICHIGAYA︓エスセナーリオ市ヶ谷」です。

こちらは、多くの鉄道路線が乗り入れる「市ヶ谷」駅のほど近く、交通量の多い外堀通りより「左内坂」を登った高台に位置しています。当設計者であるワークショップ木下道郎氏とは、SHINCLUB1号でご紹介させていただきました「BALCON」をはじめ、弊社では数多くのお仕事をさせていただいております。
また、SHINCLUB246 号でご紹介の「エスセナーリオ南麻布」や「エスセナーリオ表参道」と同じ企画会社様・事業主様・設計者様ということもあり、再度ご依頼をいただけたことは弊社にとってこの上ない喜びです。

「モデリアさんからのご依頼のときはある程度の設計の方向性というモノがあるのですが、やはり時代の流れやその地域によって求められるものは少しずつ違うんですよね。それは共同住宅の計画をおこなう上でとても重要なことだと思います。なのでご依頼をいただいた時点で必ず自分で現地を見に行くんです。今の時代ネットで現地の写真などは確認できますが、それだと街の雰囲気や人々の多さ、車の交通量など細かいところまでは分かりません。建築条件も大事ですが、実際建物に住む人やその地域にとってどれだけ寄り添った計画ができるかをいつも意識しています」と設計の木下道郎氏。

斜線規制が厳しいなかでの計画であった「エスセナーリオ市ヶ谷」。
特徴的な屋根の形状をはじめ、そのために生まれた空間を活かすようにプラン別で14 パターンもの貸室が複雑な立体構成で設計されています。

「巷にありふれた間取りや、広さを間仕切っている部屋も良いと思いますが、あえてそれをしていません。万人が良いと思うようなモノではないですが、こういうモノを探している人たちに『おっ』と思われる空間。他にない『唯一無二』だから人は求めてくれるので建物として成り立っているのだと思います」と木下氏。

今回の計画で一番の難題だったのが、土地の形状上接道の反対側にあった大きな擁壁。しかも擁壁に面する「道路」に見えるところは都の「所有地」だったため、弊社としても容易な工事ではありませんでした。

「企画段階で現地を拝見しに行ったとき、あまりの崖の高さに驚きました。それに加え隣接する道路は都の『所有地』。その『所有地』側から工事することはできないので、これはとても難しい工事になるなと。幾つかの施工会社さんへご相談しましたが、現地を見た瞬間皆がそろって渋い顔をされるんですよ。でも辰さんだけはその大きなリスクと難題に挑戦してくれたんです。あの技術と情熱は誇りに思っていいと思います。本当に助かりました」と木下氏。

お客様・設計者様の「こだわり」や「想い」をカタチにしていく建築会社でありたい。「情熱・挑戦・進化」を理念に掲げ、これからも皆様に寄り添った建築屋を目指してまいります。