15-1 学校

2001年6月11日 at 10:35 PM

高田馬場で予備校を建てています。表通りの今までの本部校舎をオフィスに転用し、以前から取得してあった近隣の敷地に新校舎を建設するのです。設計にあたって、いくつかの会社の中で弊社のアイディアが採用されました。

学校には看板が必要。実際は先生というのが一番の看板ですが、目に見える形で、今までにない看板を建物に設置しようと考えた結果、設計家は中に動く人間を見せるというコンセプトを提案しました。
アリの巣づくりを観察する実験を思い起こしてみてください。透明のアクリル板が合わさった箱の中に砂を入れ、その上からアリを入れると、どんどん巣作りを始めます。思わず見入ってしまいますね。

同じように階段室などを外部にすることで、若い人の動きを見せるようにすると、街に活気を与えます。
予備校というと、昔は優秀な先生と机と黒板があればよかったのですが、学生数そのものは激減の一途をたどっています。ましてや不景気、浪人生の数は本当に少ないので、この予備校でも現役の中高生
の確保に力を注いでいます。特に女子生徒は、きれいなトイレ、清潔な空間、かっこいい建物にあこがれます。教室は定員を1クラス40人に抑えた少人数教室になっています。パーテーションをはず
せば80人教室にもなります。週末は各種検定試験、また大学入試の会場にも貸し出すなどフレキシブルな利用に対応できます。
実はこの予備校は、一般大学の入試だけでなく別の需要にも応えようと、既に通信制の学校も視野に入れています。ご存じのように、今、いじめや学校の先生への不適応、管理教育への不満などから不登校になっている生徒が全国的に増えています。最終的には学校へ行きたい子供たち、いわゆるフリースクールでは大学入試の受験資格をとることができません。
しかし通信制高校ならばその資格を得ることができるのです。「でも家で勉強するなら建物はいら
ないでしょ」と言いたいところですが、家庭での自己学習だけではやはり卒業はむずかしいそうです。週のうち何日かは登校し、親身に相談にのってくれる指導者と話し合い、自分の目標を発見することが不可欠だそうです。そこで、本人たちにカリキュラムを設定してもらい、服装も髪型も自由な環境の中で自分自身の進路を決めていくというものです。この予備校では明年の学校運営開始を前に、現在サポート校をスタートさせていますが、評判は上々とのことです。

学校の話を考えていたら、週末に恐ろしい事件が起きました。身の毛がよだちました。自分の子が小学生の頃は、現場の先生たちから安全管理の難しさをいつも聞いていました。<屋外プールは何を入れられるかわからないから水泳の授業はやりたくない><授業開始前の部活練習は責任が取れない><下校時刻を過ぎたら生徒は早く帰宅させたい><週5日制導入に際し、学校設備を利用した課外活動の充実を保護者は望むが、自分たちも休みたい><防災拠点としての役割もあるが施設管理や有事の際の地域との連携など対応は大変>等々。

「開かれた学校」は、先生たちの負担を軽くし、子供の教育にも必要ですが、学校の設計、設備、そして管理というソフトも見直さなくてはならない時代になったということですね。