199-1 ギャラリー

2016年10月17日 at 2:53 PM
「LOKO GALLERY」 撮影:傍島利浩

「LOKO GALLERY」 撮影:傍島利浩

 

「芸術の秋」です。今月は、代官山に7月にオープンしたコンテンポラリー・アートのギャラリーをご紹介します。

写真の「LOKO(ロコ)GALLERY」は、オーナー・遠藤和夫氏が長年の構想を形にしたギャラリーです。LOKOはエスペラント語で「場所」を意味する言葉。新進気鋭の若いアーティストに活動の場を提供するとともに、美術を介した自由なコミュニケーションの場としたいということで、カフェも併設しています。

日本で美術作品に触れる場合は、美術館などで入場料を払って鑑賞する、ということが多いかもしれません。一方で「作品を買う」ということはまだあまり一般的ではないでしょう。ギャラリーの多くは入場無料であるとともに、作品を買うために顧客が訪れる場所でもあります。またギャラリー(画廊)は、アーティストに作品発表の場を貸す「レンタル・ギャラリー(貸し画廊)」と、展覧会を企画し作品を販売する「コマーシャル・ギャラリー(企画画廊)」に大別されます。さらに「コマーシャル・ギャラリー」には、画廊主が作家と契約し作品の一次販売の値段を決める「プライマリー・ギャラリー」と、オークションなどで調達した作品を販売する「セカンダリー・ギャラリー」とが存在します。LOKO GALLERYは「プライマリー・ギャラリー」にあたります。ギャラリーは作品を販売するだけでなく、作家を育てていく役割も担っています。最近ではインターネットで気軽にアート作品を購入できるサイトもあり、日本国内だけでなくアジアやヨーロッパ、アメリカなどのマーケットの動向もアーティストには気になるところでしょう。

7月8日、LOKO GALLARYは、2014年の横浜トリエンナーレでも注目を集めたアーティスト・和田昌宏氏の個展でこけら落としを迎えました。続いて8月中旬から9月初旬までは、画家・近藤恵介氏と小説家・古川日出男氏の共作展を開催。今後も約1ヶ月に1つのペースで展覧会を行っていく予定だそうです。遠藤氏は「日本にも面白いギャラリーがたくさんありますが、自分の理想とするギャラリーを自分の手で作ろうと決心しました」ということで、海外のギャラリー事情に精通する方のアドバイスを受けながら、建築家の加藤かおるさんと計画を練っていきました。

「ヨーロッパには『壁』の文化があります。多くの家庭には自宅へ人を招く習慣があり、家の『壁』に飾るアートは、人々の交流のきっかけにもなります。一方で日本やアジアの国々にはそういった『壁』の文化が希薄です。風土が違うといえばそれまでですが、日本ももっとアートに期待していいのではないでしょうか。作家たちにスペースを提供して発表の場を増やしていくことに貢献したい。国も芸術家の育成に充てる予算を増やしてほしいですね」と遠藤氏。

そういえば、アメリカ・マンハッタンに住むごく普通の夫婦が、30年かけて2000点以上の現代アートをコレクションし、最後は全部ナショナルギャラリーに寄付した、というドキュメンタリー映画がありました。収めきれなかった作品は、全米50州の美術館にさらに寄贈されていったということです。

ぜひ一度LOKO GALLARYにお出かけになって、新しいアートを楽しまれてはいかがでしょう。鑑賞後は、カフェの美味しいオーガニック・コーヒーでゆったりとした時間を過ごしてみては。