217-2 オトメイトビル+佐藤嘉晃アイディアファクトリ-㈱社長のメッセージ
ビルのサインとフォルムが洗練されたイメージを生み出す
天空率を利用した道路斜線の緩和から生まれる鋭角三角形の広告塔。
ファサードに取りつけた2本の直通階段で成立する6階のホール。
建築の法規制から導き出した建築そのものが、サインとなることを考えた。
上昇感を強調した細長いプロポーションの建築は、制振ダンパーを設置することによって風・地震による揺れを低減している。
規模:地上6階
用途:店舗・事務所
設計・施工:ユニホー
設計協力:鈴木孝紀/鈴木孝紀建築設計事務所
施工協力:辰 担当:竹原
お引渡し:2017年12月
撮影:アック東京①③+編集部②④
「アイディアファクトリ-株式会社 佐藤嘉晃代表取締役社長」
私は、映像業界を経てゲームソフトハウスに転職し、アイディアファクトリー設立に参加しました。ちょうどプレイステーション、セガサターンというファミコンに対しての次世代機が登場する前後であり、アニメ、映像業界経験者がゲーム業界で求められていた幸運なタイミングでした。
弊社が乙女ゲームに参入したのは創業して11年目の2005年です。創業時からの弊社は桑名が陣頭指揮を執って、「スペクトラルフォース」を始めとした“ネバーランドシリーズ”という男性ユーザーを意識したファンタジー世界観のゲームを販売する事で成長してきました。
この路線は現在子会社の「株式会社コンパイルハート」に受け継がれています。乙女ゲームというジャンルは株式会社コーエー(現:コーエーテクモゲームス)さんが始められたもので、弊社は当時から、コーエーさんとゲーム流通の取引関係にありました。弊社が取り扱い商品を広げていこうという際、その事業を参考にさせていただいたことがきっかけとなっています。
当初は「IF乙女いと♪」というブランド名で発売し、タイトルを複数重ねていく中で、乙女ゲーム新規メーカーとして様々な世界観を乙女ゲームに託していきました。ドラマチックなタイトルの数々は評判も良く、乙女ゲーム商品を独立したブランドとして運用していく方向に舵を切りました。2007年に晴れて「オトメイト」としてロゴなども改変し、イベント事業など現在につながるビジネスに取り組み始ました。音符デザインの現在のロゴになったのはその時からです。
「乙女ゲーム」業界の発展も、そもそも日本のゲーム、アニメの隆盛がある中で存在できているものと考えています。弊社は「オトメイト」というブランドでタイトルを発表し、その中で「薄桜鬼」を始めとした多くのゲームタイトルの世界観、ストーリー、キャラクターがお客様に愛される存在となり、会社を続けてこられました。北米や欧州など海外でも乙女ゲームを販売しておりますが、世界での乙女ゲームマーケットはまだ成長途上にあります。
乙女ゲームをテーマにしたビルが誕生できたのも、日本の、池袋ならではの事と考えています。日本のユーザーだけでなく、オリンピックもあることですし、今後は世界中の乙女ゲームユーザーが池袋「オトメイトビル」に遊びに来たいと思っていただけるような施設にしたいと考えています。そのために「オトメイトビル」での独自の催しをこれから企画・実現してまいります。
夢見るゲームの楽しさ素晴らしさは、もっともっと多くの人々に広げられるはずです。少なくとも弊社はそこに先頭を切って進んで参りたいと思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。