248-2 はつせ三田

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

グリッドで構成され、半内外空間がエコロジカルな共同住宅

敷地は魚籃坂下に近い、桜田通りから一本入った静かな住宅街である。大きな高級マンションが立ち並ぶ区画と低層住宅が連なる地域の中間に位置し、当初からいわゆるデザイナーズマンションを建てようという計画ではなかった。
再開発により自宅を出ることになったオーナー一家のために、住宅を建てるか、マンションを購入するかというスタートを経て、将来の家族構成や時代の変化を受け止めることのできる共同住宅を建設しようという提案を行うに至った。
通常よくある賃貸部分の最上階にオーナー邸を設けて、下層階を賃貸部分に、という区分けでなく、「大きな家」という捉え方で、全13住戸をフラット、メゾネット、トリプレットと、異なるデザインとして、各居室を家族が住み分けることとした。時間が経つにつれ、引っ越しも可能というものである。

建物は1350㎜間隔で配置した310㎜角の柱のフレームを元にグリッドで構成され、中央部の「めぐり土間」とする屋根と吹き抜けのある鉄骨の共用階段により、光や空気、また視線も抜ける半内外の「余白」を作っている。
「めぐり土間」は層をなし、各住戸をつなぐとともに、周囲に設けられたオープンテラス、インナーテラスが明るさと新鮮な空気を内部に送り、階段の踊り場のベンチにはコンセントも用意している。居住者が居室を出て、第2の書斎、憩いの場所として利用できる空間である。共用テラスにはアウトドアキッチンも設けられ、交流の場としても機能する。

未曾有の転換点を経験し、働き方も多様になってきた今、皆、オープンであることがプライベートやセキュリティを守り、「シロ(代)」という選択肢のある空間が「豊か」さにつながるということをわかり始めているのではないだろうか。

(井原正揮氏・井原佳代氏 談)

所在地:港区
構造:RC造
規模:地上7階、地下1階
用途:共同住宅(全13戸)
設計・監理:井原正揮・井原佳代/ihrmk
構造設計:鈴木啓+長谷川理男/ASa
施工担当:中村、富安、小林
竣工:2019年12月
撮影:稲継泰介

2020年11月13日 at 11:42 AM